①:≪癒しの闇≫魔法使いと陰陽師・・・

始めちゃいます。  私は原作の本はまだ読んでませんので(これから読む、かも)、映画が基本的な情報になります
思いっきり、魔法世界を変えていくつもりなので、もし受け付けられないという方はごめんなさいです m(_ _)m

えっと、私の原動力であるスネイプ教授を幸せにするためのお話なので(あとリリーも)よろしくお願いします(色々と・・・)

では、楽しんでいただけたら嬉しいです。  おまけにコメント頂けたら、もっと嬉しいです☆彡

途中から『』=日本語、「」=英語表示になります

*****

「もう・・・時がきたか・・・ 」

シュルッ・・・・・・真っ白なシャツを身に付け、黒いしなやかな肌触りのスラックスを履きベルトを締めたあと、傍に立てかけてあった一振りの日本刀をベルトに差す

何か和洋折衷でちぐはぐな感じなのだが、その人が身に付けると違和感などもなくしっくりと馴染んでいる

ひっそりと呟く真紅の唇が、ゆっくりと、ゆうるりと弧を描く。。。

【  見つけたぞぉぉ・・・・・  見つけ・・・・た・・・ぞぉ・・・・・  】

何も無い虚空から響く、その声に・・・・・・ふっ・・・・・・と、一つ笑って艶やかなその人は部屋を出ていった

磨かれた廊下を歩きながらも、かの人は屋敷を見ていった・・・・・・名残惜しそうに、見事な庭を持つ日本家屋の其処此処を見て進めば目的の部屋に到着する

静かに障子を開け中に入ると、上座に座る当主も察して頷いた

「お前の思うとおりに行動しなさい・・・・・・後のことは何も憂うなよ」
「・・・・・・はい」

【 見つけた! 力を持つ者よ! 我の元に来い 】

言葉というよりも、邪悪な思考が部屋を充満したと思えば・・・・・・かの人を闇の空間へと吸い込み連れ去った

「無事で」

当主の言葉だけが、ぽつりと浮かんで・・・・・・消えていった

***

「・・・・・・弾!」
捻じれているような、浮かんでいるような、訳の分からない感覚の中、かの人は体に纏わりついている≪力≫を、弾き・・・・・・飛んでいった

時も、場所も、定まらぬ空間の中で、かの人は自分を連れ去る者の思うとおりになりたくなかった

【 しまっ・・・・くっ 】

取り落とした邪悪な者は、焦り思念の腕を伸ばすもかの人の体はもう、≪時空の間≫を落ちていくのだった

***

ここは僕の好きな場所だ

湖の畔の静かな此処は、校舎の喧騒も届かずめったに生徒も来ない静かな場所・・・・・・ 僕は持ってきた本を開き、読書に熱中し始める

新学期が始まってはじめての休日。  僕は読書に勤しんでいる

「ん? これでは撹拌に時間がかかるし、ダマになるだろう・・・・・・僕の考えの方が正しいはず!」
これは薬学教室で実際に調合し試してみなければ・・・・・・  本を閉じ、立ち上がろうとしたとき不意に、横に誰かが寝ているのに気がついた

僕は本に熱中すると周りの音など聞こえなくなるのだが、気がつかないうちに隣に来ていたのか?・・・・・・しかも寝ているなんて?

お気に入りの場所と時間を邪魔された苛立たしさで「ちっ」と舌打ちしてから、僕は乱暴にソイツの肩を揺さぶった

「おい! お前!」
ゴロンと俯せの、おそらく生徒を転がし仰向けにすれば・・・・・・僕の呼吸が、止まる

真紅の、ぷくりとした唇・・・・・・閉じられている瞼から頬に影を落とす長く濃い睫毛・・・・・・色は僕と同じだが艷やかでサラサラと風に動く髪は僕よりは少し短いくらいだろうか・・・・・・顔は小さく僕の片手で覆えそうだ

白い陶磁器のような肌に、細く長い首・・・・・・信じられないほどの美貌は、アジアなのだろうか?
 
「う・・・・ん ・・・・はぁ」
ぷくりとした唇が僅かに開き、吐息が漏れた

次に、ぱちりと目が開き・・・・・・ぼう、とした目が当たりを見回し、最後に僕を見た

『ここ・・・どこ?』(日本語)

ゆっくりと上体を起こしていくソイツは、頭を振って・・・・・・堪えられないように、ぐらりと倒れた

「おい、大丈夫か!」
慌てて地面に後頭部が衝突する前に僕が支えたが、何かブツブツと呟いている

「ん?英語?・・・・・・クィーンズ・イングリッシュ・・・・・・ ここは、イギリス?」
「? 生徒のくせに何を言ってる? お前の寮はどこだ?」

「ここは・・・・・・どこ?」

言いながら気絶したソイツ・・・・・・ 僕の腕の中で、再び瞼を閉じたソイツを・・・・・・ 僕は抱き上げたのだが、あまりの軽さに驚いてもいた

「保健室に行って、校長に相談だな」

進路を保健室に決めて歩きだした

***

ゆらゆらと暖かい何かに支えられながらも、揺られている・・・・・・
何だか、薬草の匂いが・・・・・・昔、祖父に抱きしめられた時に香る匂いに似ていて・・・・・・私はひどく安堵した

そのまま、やんわりと目を開ければ青白い顔色の少年が、自分を運んでいると察しがつく・・・・・・だが、なんだかひどく安心できる心地に再び目を閉じた

「起きたなら自分で歩くんだ」
「・・・・・・・・目眩がするから、無理」
「今、保健室に向かっている・・・・・・もうしばらく寝てろ」
「いい、人だな」
「妙に区切るな」
「・・・・・くぅ」

ふぅ・・・軽いため息をついた・・・・・・名も知らぬ少年は、私を抱え直して歩き出す

「軽い・・・ 軽すぎだな」
まともに食べてるのかとか、何とかブツブツ言いながらも運んでくれる少年を薄目を開けて観察した私は、またもや見つかった

だが、ため息をついた少年はちょうど目的地についたのか、ガラリと扉を開けて中に入っていった

「・・・・・・・・くすっ」

何だか面白い世界についたようだ・・・・・・そして何だか、気難しい見た目より優しい少年が私のお気に入りになりそうな予感が・・・・・・・楽しかった

保健室のマダム・ポンフリーという女性に導かれてベットに寝かせられる
そのマダムが校長を呼ぶために梟に手紙を持たせて放ったのは、面白い・・・・・・あの梟、撫でてみたかったな

そしてしばらくして現れたのは、白い豊かなヒゲを垂らし半月型のメガネをした長身の老人と、キビキビとした動作で入ってきた女性

ベットの周りを囲むのは、その2人と少年とマダムの4人・・・・・・今から尋問でも始まるのかな

私は暢気に周りを囲む人達を、ベットから起き上がって見回した

「君は一体どこから来たのかのぉ・・・」
「・・・日本です。  ですが、この世界の日本ではありません。  この世界の力ある何者かに攫われた・・・・・・邪悪な何者かに」

「ふぉふぉふぉ・・・・・・それは随分と面白そうな話じゃの」

校長の笑い声が保健室に響く

***

「アルバス! 笑い事ではありませんよ!」

マクゴナガル先生が校長をたしなめているが、キラキラした目でベットにいるソイツを見ている様子は子供が新しい玩具を見つけたような感じで・・・・・・僕は、読書に戻りたくて仕方がなくなる

「私は 如月・黎明(キサラギ・レイメイ)・・・陰陽師を生業とする一族の者だ  こちらでは黎明とは呼びにくいでしょう・・・・・・≪レイ≫と呼んでください」
「ほぉ・・・ 陰陽師とな! それはそれは奇遇じゃの。  此処はホグワーツ魔術学校での、儂は校長のアルバス・ダンブルドアじゃ」

「魔術学校・・・・・・くすっ 面白そう」
「で、君はどうするかのぉ・・・・・・ふむ、魔力はあるの・・・ふむふむ、そうじゃ!  それがいい! うむうむ」

傍観者に徹していた僕は、事の成り行きを見ていたのだが、校長がまたもやろくでもない事を思いついたようだ

「ここに通えばよい!」
「アルバス!!!」

マクゴナガルの焦った声が聞こえたが、キラキラと愉しそうに瞳を輝かせるダンブルドアを止められるものは、ここにはいない。。。

僕は小さく溜め息をついたが、面白そうにはしゃいでいる校長と、それを窘めている2人には気がつかれなかった・・・・・・・だが、ベットの上のソイツには聞こえたのか僕を、じっと見つめた

大きな、濡れたように煌めく黒い瞳に・・・・・・僕は我知らずに吸い込まれていた

「幾つか注意して欲しいことがあるんだが」
僕から視線を外したソイツは、目眩がするのか少し頭を振りつつ・・・深紅の唇から言葉をこぼしていく

「私は狙われている・・・たぶん、この世界だが少し未来の・・・邪悪な者に狙われている・・・ここは護りもしっかりしているから私を隠して保護して欲しいのだ」

其の言葉にマクゴナガルとポンフリーが息を飲んで口元を両手で覆うが、反対にダンブルドアの瞳は細められた
僕も、ソイツの言葉が信じられなくも関心が湧き聞いている

「それはどうしてかの? 話して欲しいのだがいいじゃろうか?」
そして、ちょいっと杖をふったダンブルドア・・・・防音呪文や保健室に誰も入らないようにする呪文でもかけたのだろう

「私には≪力≫がある。 それを取り込みたいと渇望させる程の力が・・・・・・次元を超えても手に入れたい≪力≫ が・・・・」

静かに、低いが艷やかな声・・・・・・そのとき、白く細い指先がシャツのボタンを外して喉元を開いてみせた

陶磁器のような艶のある喉元に不思議なネックレスの飾りが見られる

宝石なのだろうか?  シルバーの台座に、丸い違う色の玉が4つ並んだ・・・・・・ネックレスというにはデカすぎるソレに、ソイツの白い手の平が覆い隠した途端、目もくらむような眩い光が部屋中に広がった

思わず目をつぶった僕が再び目を開けると、ソイツの前に何か不思議な生き物が浮かんでいた

・・・・・・・・・何だ? 魔法生物でも見たことがないぞ・・・・・・

とぐろを巻いているその生物は、丸まった長い胴からひょこっと顔を出したが・・・・・・・・掌に乗るような大きさのそれは、ゆっくりと体を伸ばしてフワフワと浮かび上がってくる

真っ白の・・・いや、真珠のような輝きの鱗に覆われ蛇のように長い胴体には短いが確かに前足と後ろ足がついている  

「その不思議な生き物は何と言うのじゃろうな?」
「これは『龍』です・・・・・こちらではドラゴンと呼ばれるのかな?」

「ドラゴン?  でもこのような形や大きさのドラゴンは初めて見ますよ」

ダンブルドアやマクゴナガルが不思議そうに見つめる中、その白い真珠色のリュウという生き物はキサラギ・・・
といったか、ソイツの頬に頭を擦り寄せている

「これは『神獣』・・・・・・聖霊や聖獣といったものに分類される  大きさも縮めてあるだけですから、本当の大きさなら・・・・・・この城をぐるりと囲めるくらいです」
「ほぉっ・・・・・・  ほっ ほっ ほっ それは面白いのぉ~ 」 

「これは私にしか懐かず、私にしか御せない・・・・・・私の守護聖獣なのです。 この『白』(ハク)は風を操リますが他の龍は別のものを操れる  ・・・・この玉は其々が眠る龍なのです」

胸元を開いて見せるキサラギだが、僕は玉よりもその下の白い滑らかな肌を意識してしまい視線を外していた

「そのような強い力ならば狙われておるのもうなずけるのぉ~  どうじゃミネルバ、この子をホグワーツに通わせるのは反対かのぉ~」
「いいえ、アルバス! ぜひホグワーツで保護するべきです! 彼があちら側に引き込まれないよう護らなくてはなりません!」
「私もそう思いますよ」

校長にマクゴナガル、マダムの3人が相談しあい頷きあった

「ではMr,キサラギ。 ホグワーツは貴方を護ります、安心して学生生活を送ってください」

マクゴナガルの言葉に、キサラギは少し困ったような、少し面白がるような顔をしている

「レディ・・・ 失礼ですが私はMr(ミスター)ではなくて、Ms(ミス)なのですが」

「「「「 ええーーーーーー 」」」」

その場にいた先生達や、もちろん僕も驚愕の叫びを上げた・・・・・・見たことのない程の美貌の持ち主なのだが、凛とした雰囲気がキサラギを少年のように見せていた

おまけに白いシャツに黒のスラックスを履いているのだから、間違えても仕方ないとも思うが・・・・・・その時!

≪無礼者! 姫様を侮辱するな!≫

真っ赤な炎の柱が立ち上って、今度は紅い鱗に覆われたリュウが威嚇するように口を開けて浮かんでいる

「『紅』(コウ)止めなさい・・・・・・私の格好も悪いのだし、これからお世話になるんだ・・・・・失礼をしてはいけない」

≪でも姫様は誰よりも綺麗な御方なのに≫

「ありがとう・・・紅がそう思ってくれているのなら私はそれでいいのだよ」

コウと呼ばれる赤いリュウが頭を撫でられて気持ちよさそうに目を細めていると、真珠のリュウが割り込んで頭を突っ込ませていた

「白も・・・・・・いい子」

何でか解らないが、僕もあの白い手で撫でられてみたいと・・・・・・・ハッ!!!  違う、そ・・そそそそんな事思うわけない!  思うはずないのだ!

***

「では、ここに通ってもらおうとするかの・・・  そうじゃ、夕食の時に日本からの留学生として皆に紹介しよう!」
「ではアルバス、教科書や杖など買いに行かなければ!」
「制服もですわね!」

「幸いなことに今日は土曜日ですわ! これからダイアゴン横丁で必要なものを買い揃えてもらいましょう」
「それはいいのぉ~  ああ、お金ならば儂が出そう・・・・・・これを持っていきなさい」
「普段着なども買ってきていいのですよ」
「セブルス、ほら」

?????????????

何だ?  校長に金貨の入ってるであろう袋を目の前に差し出された僕が、思わず、つい、受け取る

「ほぉっ ほぉっ ほぉっ  セブルスがついて行ってくれるから心配はいらんよ レン」

いつの間に僕が一緒に行くことになっているんだ!  僕は今から薬の調合をしようとしているのに!・・・・焦る僕に構わずに外出許可証を渡す校長(どこから出したんだ!)に、マクゴナガルやマダムまで行け行けと指示している

せっかく、静かに過ごそうと思った休日が音を立てて崩れていく・・・・・・

あれよあれよと保健室の暖炉の前まで引き摺られ、フルーパウダーの壷を差し出され・・・・・・僕は溜め息をついて諦めた

さっさと行って、さっさと済まして・・・・・帰ろう

「さ、セブルスを真似て行くのじゃぞ」
「・・・・・・はい」

僕はフルーパウダーを暖炉に入れて唱える「漏れ鍋」・・・・・・そして着いた漏れ鍋で待っていると、キサラギはほどなく暖炉から現れた

「これはこれはお二人さん 買い忘れでもあったのかい?」
漏れ鍋のマスターのトムが話しかけるのに「ああ」とだけ答えて、キサラギを連れてダイアゴン横丁へと向かう

「ちょっと待て、コイツは何年生に入るんだ?」
「・・・・・・君と同じ学年・・・・・・だ、そうだよ」

くすくすと小さく笑うキサラギに知らずに見惚れている自分を、咳払いでごまかす僕は・・・・・・何か変だ! 顔が熱くなって・・・・いや、違う! そんなことはない!

「さっさと済ますぞ」
「・・・・・・分かった」

まずは制服だな! マダム・マルキンの洋品店にキサラギを放り込んだ僕は「教科書を揃えてくる、済んだらここで待ってろ」とだけ言い残して書店へと向かう

「Mr,スネイプ・・・・・・手間をかける。     ありがとう」
にっこりと微笑むキサラギが眩しくて、咄嗟に目をそらせながら店を出た・・・・・・胸に初めて感じる鼓動の高鳴りに知らぬふりを決め込みながら

***

書店で教科書と参考にできる本を何冊か買い込み、店主にホグワーツに送って貰ったあと僕は洋品店に戻って。。。

中の様子に・・・・・・  なんというか・・・・・・・  呆れてしまって・・・・・・・

「まぁーー何て綺麗な子なんでしょう?  これも着てみて!  次はこれね!  まぁまぁ何て飾りがいのある子なんでしょう!!!」

キサラギは溜め息を付きながら僕に気がつき、肩をすくめている

「マダム・・・  もう時間のようです・・・ 名残惜しいですが、これにて御免」
「そう? じゃホグワーツに送っておくわ!  制服とローブは代金をいただくけど他のは私の入学祝よ」

は?  入学祝い? この大量の洋服をくれると言うのか?    僕は目を剥いて洋服の山を見つめてしまった

「マダム・・・  感謝します」
キサラギは少しかがんでマダム・マルキンの手を取り、顔を見つめたまま甲に口付けたがその流れるような動作が優雅だ

・・・・・・・・卒業した、ある先輩が僕の脳裏に浮かんだのだが、コイツは女だろう? 僕には理解不能だ!

「次はお前の杖だ」
「・・・・・レイ」
「は?」
「お前じゃない・・・・  レイ、と呼んで・・・・・・ほしいな」

赤い唇が弧を描いて微笑みながら、僕を見ているキサラギを見ていると訳の分からない動悸がする

顔に熱が集まるのを自覚するが、頭の中で難しい調合を思い出したりして何とか紛らわせる・・・・が、キサラギから顔を背けて杖を求めて歩き出す僕に、くすくすと笑い声を小さく漏らした彼女が後ろを付いてきている

オリバンダーの店までわずかな距離なのだが、何故だろうか・・・・・・・小さなワクワクとした高揚感が、心地よい

はっ!!!  い・・・いまのは何でもない!  何でもないぞ!  何でもないんだ!!!

・・・・・・・くすくす・・・・・・

アイツの笑い声が、ずっと、聞こえていた。。。

「僕のことはセブルス、で、いい」

そう、ぶっきらぼうに答えるのが僕の・・・・・・意地だった。

*****

1回目はこんな感じで☆終わります

ヒロインは陰陽師ということですが、少々特殊なお家のようで・・・・・・これから少しづつ明かされていきます

陰陽師の知識は私の捏造過多なので、呪文や考え方など疑問がでたら質問&こうしたほうがいいよと優しく教えてくださいませ \(^o^)/

ではでは、これからも よろしくお願いします♪♪


     

②≪癒しの闇≫魔法使いと陰陽師・・・

杖、杖、杖~~♪  オリバンダーの店。 杖はいいですが、ヒロインの勉強はどうなんでしょうね?
もう、捏造過多なマイ・ワールドへ、ようこそぉーーー♪

おいでませぇ~~・・・(壊れかけの管理人です)

*****

「ここが杖の店か・・・」
「ああ、行くぞ」

部屋自体は広いのだろうが、壁や部屋中に積まれている箱があふれかえって狭く・・・・・・中に入ると誰もいないようにも思えた

「いらっしゃいませ」
何処から現れたのか、一人のおじいさんが出てきた

「貴方に相応しい杖を探しましょう・・・・・・杖腕を見せてください」
「杖腕?  もしや利き腕のこと?」
後ろに控えている少年に振り返り確認を取れば黙って頷いてくれる・・・・・・少し不機嫌そうにだが、ずっと付き合ってくれる少年の不器用な優しさは、こちらの世界に来て半日の間に分かってしまった

おそらくひどい照れ屋なその少年に、思ったままに言葉をかければまた不機嫌になるだろう・・・・・・くすっ、何だか気に入った・・・・な。

セブルス・スネイプ・・・・・・その少年の名前だった

さて、計測が終わったのだろう・・・・・・おじいさんはまた店の奥へと引っ込んで行ったが、私は待つつもりなど、ない

すっ・・・・・と、右手を杖の箱の山へと向けて指で印を結び、呼びかける

『・・・・・・我が名は黎明 我が血に、我が力に仕えし杖よ・・・・・・いでよ』

此処は異国だが日本語で唱えれば、ガタガタと奥の方から音が聞こえ、しばらくすれば一つの箱が飛んできて中から杖が私の右手に握られた

「何と、このようなことがあるとは・・・・・・杖を自ら呼び寄せるだなどと・・・・・・私は偉大な魔法使いに会えたようだ」
「な・・・初めて見たぞ」

2人が呆気に取られている間に、試しに杖を振ってみた・・・・・・握り心地は、いいな。

振った杖の先から光が溢れキラキラと漂い、暗い天井に星が瞬いた

「その杖は、芯にユニコーンの角と鬣を使い、桜の木に金剛石を混ぜたもで28センチ。しなやかで硬く強く握り心地は格別・・・聖呪文でも闇の呪文でも強い力を発揮します」
「ふぅ・・・ん、聖にも闇にもなる杖・・・か。   面白い!」

少年から硬貨を支払ってもらい再び漏れ鍋へと向かう

玉に変げした龍たちが小さな声で話しかけてくる・・・・・・どうやらこの世界の「魔法の杖」に興味があるようだ

首飾りを優しく抑えてなだめつつ・・・・・・ホグワーツに帰ってからは自由にさせると約束していた

また暖炉から粉をふり「ホグワーツ 校長室の暖炉」と唱えれば、道が開かれる

しかし、この移動法は・・・・・・目が回って仕方ない。  しかも急に暖炉から吐き出されるものだから危うく転びそうになり、先に着いていた少年にぶつかってしまった

「うわっ」
「おい!」

ぶつかった反動で少し眩暈がしてしまった私を支えてくれた少年に、「ありがとう」と礼を言えば何やら向こうにそっぽをむいてしまう

やれやれ・・・・・・嫌われてしまったかな?  

・・・・・・・少し、残念だな。。。

「まだ調子が悪そうじゃの・・・ 少し医務室で休んだ方がよいかものぉ・・・ 」
「校長、色々とお世話になる。  感謝している」

ぺこり、とお辞儀をすればダンブルドア校長は、髭を撫でながら ふぉ・・・ふぉ・・・ふぉ・・・と愉快そうに笑っている

が、急に真面目な顔で私を見つめ訊ねてくる

「それはいいんじゃがの・・・ 君のことを魔法省に問い合わせてみてもよいじゃろうか?  異世界から来たとはいえ、もしかしたらこの世界でも君の血族がおるやもしれん」
「私も調べてもらおうと思っていました  私の一族は代々このように異世界に飛ばされる事があるので・・・」
「では了承じゃの・・・さっそく調べておくぞい」  

この人物のことだ・・・・・・隠密に、しかし確実に調べてくれるだろう・・・・・・なかなかの狸のようだからな・・・ふふふっ

一先ず、衣食住は確保できた・・・・・・あとはこの世界の「魔法」や「社会の仕組み」などを知らなければならないな・・・・・・

校長室を出た私と少年は、彼の案内で医務室へと向かい、私はマダムに診察を受けるために部屋へと入り、彼は自分の寮に戻っていった

別れる直前、私は彼の手を取り真摯に目を見つめて言った。

「ありがとう・・・・・・」

少年は慌てて手を振り払い、また向こうを見てしまう・・・・・・やはり、嫌われたようだ。

「・・・・・・別に、たいした事は、していない」

ぼそり、と呟いた少年は踵を返して立ち去った・・・・・・首を赤く染め上げながら

「嫌われてはいない・・・らしいな」

くすり・・・・・・なぜか私は、ここでの生活が楽しくなってきた・・・寮を決めるのは夕食のときだと言っていたな

彼と同じ寮に、なるといいのだがな・・・・・・・

私も医務室の扉を開けて、なかに入っていった

*****

ざわざわと大広間で生徒達の思い思いの会話の声が、さざ波のように埋め尽くしているとき、マクゴナガル教授がゴブレットを叩けば・・・・・・あっという間に大広間は静寂を取り戻す

「皆さん静かに! 校長先生から大事なお話があります」
「ありがとう、ミネルバ」

校長が感謝の視線をマクゴナガルに送ったあと、話し始める

「今日は皆に知らせることがあるのじゃ  遠い日本からの転校生がここ、ホグワーツで学ぶために来た。 皆、仲良うするのじゃぞ」

「レイメイ・キサラギ! お入りなさい」
マクゴナガルの声と共に大広間の入り口のドアが開き、そこから現れた一人の生徒に大広間は息を飲んだ

スラリとした華奢な長身に、しなやかな長い手足が優雅に歩を進めていく・・・・・・白く小さな顔には、大きな濡れたように輝く黒い瞳が凛とした光を宿し、鼻筋も通っている

唇は赤く、まるで紅を塗っているかのように赤くふっくらとしている

堂々と胸を張り、優雅に歩く姿にはここに集まっている全校生徒が見惚れて、魅了されている

壇上へと上がる姿も様になり、女生徒からは感嘆の溜め息が「ほぉーーー」と漏れだし、男子達はスカートから覗く白く艶めかしい足を見て一斉に頬を染めて見ている

「日本から来ました 如月 黎明と申します。 これから、よろしくお願いします」
凛とした声が、生徒全員の耳に染み渡るように響いていく・・・・・・大きな声で言わなくとも大広間中に聞こえる声に、またまた女生徒たちの感極まれり溜め息が其処かしこで漏れていく

挨拶の後、マクゴナガルの用意した椅子に ストン・・・と座り、その長い足を組むと組み分け帽子が頭に乗せられる

生徒達は彼女が何処の寮になるのか片津を飲んで待っている・・・・・・・・・が、何やら長い

少しづつ生徒達がざわめき始めた頃、突然、帽子が叫んだ!!!

「スリザリン!!!」

しーーんとなった大広間に、落胆の叫びと、歓迎の叫びが沸き起こるのは・・・・・・静寂の、すぐ後のこと。。。

*****

「ここ、いいかな?」
組み分けの終わったキサラギが真っ直ぐに僕の席へと向かってきて、隣を示して言った

僕の近くなど誰も近寄りたがらずに空いているのに、何故、隣に座ろうとする?

ほかの生徒達はキサラギに近づきたくて、言葉を交わしたくて見つめているのに・・・・・・これっぽっちも気が付いていないように、僕を見ている

「・・・・・・物好きだな」
「そう?  人を見る目はあるつもりだけどね・・・  座っても、いい?」  
「好きにしろ」
「くすっ・・・・・・好きにするよ」

キサラギが隣に座ったとたん、目の前に夕飯が現れる・・・・・・大皿から自分の皿に取り分けていると、横からの視線に気がつく

「?」
何を見てるんだ?  さっさと取ればいいものを・・・・・・ もしかして? 食べられないのか?

「何が好みだ?」
「・・・・・・洋食はあまり食べなれないから、よく分からん」
「どんな味が好みだ?」
「・・・・・・あっさりしたものが好きだな」

僕は出ている料理の中で比較的あっさりとした物を選び・・・  まあ、サラダとかローストチキンとかを切り分けたりしてキサラギの皿に入れてやった

「食べてみろ  嫌なら残せばいい」
「ありがとう・・・・・・セブルス」

皿を見て、僕を見たキサラギが ニコリ、と笑い初めて僕のファースト・ネームを呼んだ・・・・・・  なっ! なんだっ! ただ料理を取り分けてやっただけだろう! そんな、顔で笑うな!!!

どくどくと鼓動が早くなるのに気がつかないフリをして、僕は精一杯すました顔をする

「ぱくっ・・・ん、イケる  チキンも美味しい」
「・・・そう・・・か、よかったな」

一通り料理を食べ終わり食後の紅茶を飲んでいると、キサラギが頼みがあると口を開いた

「なんだ?」
「勉強を教えて欲しいんだ・・・・・  私は最初からしないといけないだろうから」

ふむ、それもそうか。  考えてみれば、この世界に飛ばされたコイツがいきなり5年生の勉強についていけるとは思えないな

「君の時間をとってしまうが、私の事情が分かっているのはセブルスしかいないんだ・・・・・・頼む」
「・・・・・・わかった   仕方ない、事情が事情だからな出来うる限りは協力してやろう」  

僕がそう答えるとキサラギは、ほっと安心したかのような息をついた・・・・・・あまり表情は変わらないが、今日1日見てきているからな、僕には分かる。

「もうすんだか? さっそく図書室に行くぞ」
「分かった」

そうして僕と2人連れ立って大広間を後にするキサラギを、全校生徒が呆気に取られたように見ていたのだ

その中でも獅子寮のテーブルから剣呑な視線が3対、2人が行くさまを見つめている・・・・・・

そうして眼鏡をかけたクシャクシャな黒髪の男子生徒と、端正な顔立ちの男子生徒がひそひそと話し合っているのは騒めく大広間で気がつかれることは無かったのだった

*****

「これが1年の教科書に其々の参考書だ・・・魔法薬学に変身学に呪文学、薬草学・・・・・まずは読んでみろ」
「分かった」

キサラギは教科書と参考書をとり広げ始める・・・・・って、おい! 一度に何冊も広げても読めないだろう!

するとキサラギは首にかけてあったネックレスを取り出し、机の上に置き何やらぶつぶつと呟き始めた・・・・・・この気配は、何らかの魔法を使ったと思えるが・・・・・・

僕の訝しげな視線に気がついたのかキサラギは、ふふふ・・・と微笑んだ

「人に見つからないように姿や気配を消したんだ」
「ならば、人寄けの呪文もかけておけ」
「頼む・・・より強力になるだろう」

僕が杖を振り、人寄け呪文を唱えていると机の上がピカッと光り・・・・・・・・なん・・・なんだ、これは!!!

小さな掌に乗るようなサイズの『龍』が現れた

真珠のように白く輝く鱗に金目の奴、炎のように真紅の鱗に紅い目の奴・・・・・・この2匹は校長室でも見たぞ

だが・・・ 他にも紺の鱗に青空のような水色をした目の奴と、銀色の鱗に緑の目の奴、そして真っ黒な鱗に金目な目の奴と・・・・・・・・全部で5匹の『龍』が、長い胴体をうねうねとうねらせながら目の前を浮かんでる

いくらこの世界が魔法族の世界でも、こんな生物は見たことがない

何だか目眩がしそうだ・・・・・・しかもコイツらキサラギと話をしている
いや、言葉で話しているんじゃないんだ、思念が頭に直接響いてくるというか・・・・・・僕はたくさん本を読んでいるが、このような魔法生物のことなんて書いてあったことなど無い!

呆気に取られすぎて、ぽかんと口を開いてみている僕の前でそのリュウ達は教科書や参考書に顔を突っ込むように熱心に見ていく

パラパラと本を捲る音が5冊分聞こえる中、キサラギは目を瞑り微動だにせず椅子に座ったままだ

分厚い本達が有り得ない速度で捲られ続けて、やがて最後まで終わる

「次を頼む」

僕は黙って本を片付けると2年の教科書と参考書や文献の乗った本を渡す

同じようにしてリュウ達が読み続け、キサラギの瞑想は続いていった・・・・・・

*****

「なんとも、すごいものだな・・・」
5年生までの本を読み終えたキサラギに、そう言うと・・・・・・彼女は、ふぅ・・・と息を吐き出した

見れば額には汗が滲んでいる・・・・・・やはり、無理をしているのだろうな

「これをすると頭の中に情報が溢れてな、処理をするのに精神力を使うのだ・・・」
「・・・・・・僕が教えてやるから、無理はするな」

「実地などは全然だからね。セブルスにはそっちをお願いしたいんだ」
「それはいいが・・・・・・大丈夫か? すごい汗だぞ」

リュウ達も心配そうにキサラギの周りに浮かんでいる

「【アイツ】に見つからないよう、力を使わないで術を施したからな・・・・・・体力が消耗したんだ」
「これを・・・」
「・・・・・・ありがとう」

僕のハンカチで汗を拭いながら、キサラギがにっこりと・・・笑った

リュウはまた玉に戻りネックレスになり、彼女の首にかかる・・・・・・その時、術が解けた気配を感じた僕は本を片付けに席を立った

席に戻るとキサラギが腕組みをして何やら考え中のようだ

「面白いな・・・・・・」
「何がだ?」

「この世界の魔法と私がいた世界の陰陽道と、根底にある理論が似ているのだ」
「ほぉ・・・」
「薬草と呪文と薬・・・  是等は私の所とも重なっているが、物や自分を変身させたりというのは少し違ってる・・・・・・  まあ、あくまでも根っこの部分だから勉強しなければいけないのは同じなのだがな」
「・・・・それは面白いな。 キサラギが違うという所を僕は知りたいな・・・・・・もしかしたら新薬の開発や、呪文などにも取り入れられるかもしれん」

「そうだな・・・ 薬草学と魔法薬学の分野では私の知識が役立つだろう  ここを見てくれ」

教科書のページを捲るキサラギが、僕が今朝考えていた場所を指し示してきて、僕の知らない薬草の名前と効果を言い始めた

「・・・・・確かに、その薬草を加えれば効き目もUPするだろうな」
「この植物がこの世界にあるのかは解らないが・・・・・・こちらの日本で手に入るかもしれない」
「さっそくスラグホーン教授に問い合わせてもらうか」

効能を聞いていて、僕は直ぐに手に入る別の薬草を思い出し、≪毒薬から野草まで、薬草の種類全集≫を持ってきてパラパラとページを捲る

「・・・代用にほぼ同じ効果のコレでもいいかもしれないな」
それは挿絵も書いてある本で、キサラギは葉の部分をよく見ている・・・・・・細く白い指で、葉や花のようすをなぞっていく

「これは私が言っていたものの亜種だろう・・・形態が似ている・・・これで代用は十分に可能だ」
「やはり!  これならば僕も持っているからな、直ぐに調合にかかれるだろう」

薬学でこれほど話が合う者は今までいなかった僕は、少々興奮していたようで・・・・・・

「セブルス、明日にしないか? ここも閉まるようだし」
というキサラギの言葉に、ハッと我に返った

「そうだな・・・・・・・今日はもう遅い、明日にしよう、うん」

ちょっと夢中だった自分が恥ずかしくて、慌てて片付けをしている僕に、キサラギは くすくすと笑っていた

「・・・・・・笑うな」
「・・・・・・ごめん、何かセブルスが・・・  可愛くて」
「なっ!!!  キサラギ・・・・・・男に可愛いとか、言うな!!!」

「・・・・・・ごめん」

謝りながらもキサラギは、くすくすと笑いながら僕の後ろを付いて図書室から出てきた

普段なら、笑われていれば怒る僕なのだが、どうしてだろう?  ・・・・・・・キサラギだと怒りが湧かない

それどころか僕も少し・・・・・・ほんの少しだが、口元を上げてしまう・・・キサラギに見えないよう、有らぬ方を見るがな

くすくすくす・・・・・・・

なんだか、耳が、くすぐったい。。。

人と居て不快にならないのが、珍しいな・・・・・・リリー以外では、な!
明日も見てやってもいい、かな・・・・・・キサラギが此方に馴染むまでは、一緒に居てやってもいい

本当に、僕はどうかしているのかもしれない・・・・・・リリー以外の人間に、こう思うなど・・・・・・

僕達は連れ立って寮へと帰って行った

*****

ヒロインは、セブルスがお気に入り♪  

さて次回は、アノ悪戯仕掛け人達がちょっかいをかけてきます(笑)


楽しんでいただけたら嬉しいな☆

     

③≪癒しの闇≫魔法使いと陰陽師・・・

えーっと、3回目になりました。  とはいえ、ヒロインがこの世界に来てまだ2日目・・・・・・

ここから主要キャラが出てきます・・・が、私の捏造ワールドなのでよろしくお願いします(何をだよォーー)
しかもジェームスとシリウスの扱いが雑です(ウィキ○ディアによりますと、ジェームスは7年生で自分の傲慢さを反省したのでリリーと付き合うことが出来たと書いてありました)

なので、5年生の彼等は・・・・・・レイが嫌悪するほど傲慢で、悪戯と称する虐めっ子です

そんなこんなですが、セブルスを幸せにしたくて書いてる管理人です・・・・・・なので、元のハリー・ポッターの物語とは変わります

大きく、大いに、変わります!

誰も死なない未来を、セブルス君が幸せになる未来を、目指します!!!

ではでは~~~♪

*****

「セブルス、この調合の仕方なんだが・・・」
「ああ、ここは右に3回の後、左に1回まわすんだ」

「ふ・・・ん、そうか。  わかった」

スラグホーン教授にキサラギの調合を見てやって欲しいと頼まれたのは、丁度よかった・・・・・・たぶん校長の指示なのだろう・・・・・・

そうして朝食後、地下にある魔法薬学の教室でキサラギと調合三昧の時間を過ごしている

だが、僕は思う・・・・・・   僕は独りが好きだ。。。

他人と話をすることも煩わしくて嫌悪してしまう僕だが、元々、陰気で根暗な僕に人は近づかない

食事も、授業も、僕の周りには人は、座らない・・・・・・・・・近づかないんだ

髪も、目も黒く陰気な僕に、同じ寮の者でさえ忌み嫌い、近寄らない・・・・・・

それで、いい・・・・・・僕には違う寮だが、幼馴染のリリー・エバンスがいる

彼女と、たまにだけれども話せたり、遠くのテーブルに座る彼女を見れたり、合同授業で見つめられたら僕は、それでいいんだ。。。

リリー・・・・・・  僕の愛しい人
リリー・・・・・・  僕の、全て。。。

「セブルス? 出来を見て欲しいのだが」

柔らかな声が僕の思考を断ち切る・・・・・・ハッとしてキサラギの調合した薬を見れば、初めてとは思えない完璧な出来栄え・・・・・・僕は、驚いてしまう

「凄いな、いい出来上がりだ」
「ああ、よかった・・・・・・だが、もう少し改善の余地があると思うのだが」
「僕もそう思う・・・ だから・・・」 

羊皮紙を取り出し、手順を書き出していく僕に顔を寄せて読んでいくキサラギの目は真剣だった

・・・・・・・学ぶことを楽しんでいる、智識を欲する餓えを満たしていく快感・・・・・・それを彼女も感じているのだろうか?

他の奴等のように成績を満たす為の勉強ではなく、純粋に、知らないことが判るようになる喜び・・・・・・

この感覚が分かる者は、今まで誰一人として・・・いなかったのだが・・・・・・・キサラギは、どうなんだろう?

「あ! ここだ!」
急に目を煌めかせたキサラギが綺麗な指を羊皮紙の上に、僕がいま書き出した箇所に指を指した

「ここ・・・?  そうか、そうだ! 僕も判ったぞ」
「ここでこの材料を入れるとダマになるだろう? ダマにしないためにも細かくすり潰すんだが、ここではなくもっと・・・・・・」

白い指先が羊皮紙の僕の字をなぞっていく・・・・・・ つい、綺麗な指に視線がいってしまう・・・・

「ここだな・・・  ここで入れればいい。  この素材は直ぐに溶けてしまうのに、この薬草で溶けにくくなってしまうんだからな」
「そうそう、なら先に入れてしまえば綺麗に溶けるし、後の材料の混ざりも良くなる」
「直ぐにレポートに纏めてスラグホーンに出そう」

僕は新しく教科書よりも確かな方法を見つけたことで興奮していたから、気がつかなかったのだが時刻は既に大広間での昼食の時間になっていた

キサラギも嬉々として新しい羊皮紙を取り出し、使いづらそうに羽ペンで書いていくのを見ると・・・・・・コイツも食事のことなど頭にはないな

「キサラギ もう昼食の時間だ・・・・・・纏めは食事の後、寮の談話室でやろう」
「え?もうそんな時間か?  どうりでお腹が減った」
「・・・・・・行くか」

片付けを済ませて教室を後にした僕達は、大広間へと向かう

道々も調合の話をしながら連れ立って歩く・・・・・・  こんな感じは、僕にとって・・・・・・初めてだった

大広間に着くと早い者は既に食事を終えたのか、席が空いている

「これ、美味しいんだよな」
キサラギはどうやらチキンのハーブ焼きがお気に入りらしい・・・・・・今日はポーク・スペアリブも出たみたいだが、どっちも1つしか残ってはいなかった

僕は目の前のチキンをキサラギの皿に入れ、最後の一つのスペアリブを自分の皿に入れた・・・・・・僕もチキンの方が好きなんだが、黙っていた

昨日、初めて会ったときに抱き上げて驚いた、キサラギの華奢な体を思い出し「たくさん食べろ」とサラダやパン、茹で卵も置いていく

「ありがとう、セブルス」
「・・・・・・別に ///」

食べ始めた僕達の前が、急に陰ったことに視線を前へとやれば・・・・・・そこには、アイツらがいた

≪悪戯仕掛け人≫と名乗る、頭のイカれた4人組が!!!

僕を見れば悪戯と称して攻撃してくる、録でもないアイツら・・・・・・幾度、殺してやろうかと思ったことか!!!

そんなアイツらが、ニヤニヤと僕を見ている・・・・・・?  いや、違う、キサラギを見ているんだ!

くそっ!!!  編入生に目を付けたのか!!!

僕はローブの裾から手を入れ杖を握る・・・・・・いつでも攻撃できるように。。。

*****

「日本からのお姫様、初めてお目にかかります・・・僕はジェームス・ポッター」
「俺はシリウス・ブラック」
「食事中に、ごめんね・・・私はリーマス・ルーピン」
「ぼぼぼ・・・・ぼぼぼく・・・・僕は・・・・ぴぴぴ・・・ピーター・ペテュグリュー」

私の目の前に並んだ男子生徒4人が名乗り始めた・・・・が、こっちは食事中なのだ・・・・・・余りにも無遠慮すぎやしないか?

中の1人が済まなそうに見ていて、1人は他の・・・ジェームスといったか・・・の後ろに隠れてしまっている

だが・・・  前に立つ2人、クシャクシャな黒髪に丸眼鏡のと、ふわりとカールした肩ぐらいの髪に端整な顔の・・・・・・2人は、悪いだなどとは思ってもいないのだろうな

傲慢な者、特有の表情で笑顔を貼り付けたまま立っている

私は構わずにナイフとフォークで鳥肉を切り、口に頬張っていく・・・・・・もぐもぐ・・・美味いな

横のセブルスが緊張と警戒しているさまを感じれば、自ずと分かるな・・・・・・彼等の関係が。。。

私がナプキンで口元を拭うと、にこり・・・と微笑んだ

「如月・黎明だ・・・」
日本語で発音するも彼等には難しいだろうなと、思い「キサラギと呼んでくれ」と付け足した

これで挨拶はすんだであろう・・・・・・食事を再開したのだが、彼等には不満のようだった

周りの・・・生徒達の目が此方に集まるのがわかる・・・・・・術を使い何を話しているか聞けば、女子生徒達が騒いでいるな

なかなか人気があるのだろう・・・良いも悪いも目立つだろうな、彼等は。。。

「食事が終わったら、僕達と話をしないか?」
眼鏡が私の前に座りながら言う・・・・・・だが視線はセブルスを見ている・・・・・・

「スニベルス、ナイト気取りでいる所を邪魔して悪いな」
シリウスだっけ?が、明らかに嫌味な口調で話すのが・・・・・・感に触る

「・・・・・・私にも予定があるのだがな・・・  勝手に決められては迷惑だ」
はっきりと断れば、シリウスの顔色が変わる・・・・・・どうやら直上型のようだな

「何だとーー  俺達が誘っているんだぞ! 断るなんてどういうつもりだ!!!」

五月蝿い・・・・・・  都合が悪くなると、怒鳴り散らすのが彼の十八番のようだな・・・・・・

私の瞳が冷たく光り、彼等を見つめる

彼等の人となりを見極めるように・・・・・・その視線に気がついたのは、一人だけのようだ

「そんなスニベルスに付くより、僕達に付いたほうが、この後の学園生活が楽しくなると思うよ」
「くすっ・・・・・・付かなかったら、どうなるのかな」
 
再び、にこり、と微笑んだまま・・・・・・眼鏡を見つめた

「この≪悪戯仕掛け人≫のターゲットになるだけさ・・・・・・そんな残念なことにならないように、僕たちの誘いは断らないが、いい」

「やめろ! キサラギはまだ食事中だ。 お前達は礼儀もわきまえないのか」

「スニベリーのくせに口を出すんじゃない  お前は黙ってろ」

私は首を傾げた・・・・・・英語はしっかりと身に付けていたつもりなのだが、スニベルスとは泣きミソ? 泣き虫という意味なのかな???

誰が?  視線を見ればセブルスの事だろうけど・・・・・・・???

「ちょっとすまないが、教えてくれないか?」
私の呑気な声に、セブルスもちょっと呆れた顔をしているが、分からないものを分からないままにしておくのは我慢ができない

「先程から言っているスニベルスという意味と、誰に向かって言っているのか教えてくれないか?」
この言葉で睨み合う双方が、揃ってあんぐりと口を開けて私を見ている・・・・・・あれ? 何か変なこと言ったのかな?

首を傾げて、セブルス、眼鏡、と交互に見ていた私だが・・・・・・誰も答えてくれない

「・・・・・スニベルスってのは、お前の横にいるスネイプのことさ」
シリウスが偉そうに言ってくる・・・・・・横のセブルスが体を強ばらせたのを感じた

「・・・・・・セブルス、君って泣き虫なの? もしかして私の英語がおかしいのかな?」
「泣き虫でも、泣きミソでもない・・・・・・勝手に彼奴等が呼んでるだけだ」
「???」

でも、スネイプとスニベルス・・・・・スしか合ってないぞ? そんなので得意気に言ってるのか?

私は羊皮紙を取り出し、書き出していった・・・・・・

・・・・・・・・・・Snape、これはセブルスの苗字。
・・・・・・・・・・Snivellus、これはコイツ等が付けたあだ名・・・っと!

私の手元を見ていたセブルスが嫌そうな顔をしているが、構わずに書き終えてまじまじと見る

「ぷぷぷっ!!!  はははっ・・・・・」
急に笑い出した私をセブルスも、眼鏡と仲間達も怪訝そうに見ている

「セブルス・・・・・・見てよ、コレ!  あだ名にして君をからかってるんだろうけどさ・・・・・・掛かってる文字が最初のSとnしかないって・・・・・・あまりにも間抜けだよ」
「・・・・・キサラギ???」

きょとんとするセブルスに、指で示すのだが・・・・・・あ、だめだ・・・・・・2文字しか使えてないのに得意気に相手を罵倒してる、その様子が私には酷く滑稽に見えたのだ

「・・・レイでいい。 いい? この方達≪悪戯仕掛け人≫が君に付けたあだ名がね・・・・・ぷぷぷっ・・・・・たった2文字しか同じ文字がないんだよ? これで名前に掛けてるつもりがね・・・・・ふふふ・・・・・滑稽で、笑えるんだ」
「・・・・・・ククッ そうだな・・・最初のSとnしか同じじゃないな」
「でしょ? 2文字しか違ってないとかなら分かるけど・・・・・・2文字しか合ってないなんて・・・・・・それを得意気に言い回してるのが・・・・・あはっ・・・・・だめだ・・・お腹が痛い」

「・・・・・それは遠まわしにだけど、僕達を馬鹿にしてるのか?」
眼鏡の顔色が変わり、手には杖を持って、私に向けている

「・・・!!!」
セブルスがさっきから握っていた杖を出そうとするのを、テーブルの下で腕を掴んで止める

・・・・・・最初が、肝心だからね・・・・・・セブルスに囁くと、小さく頷いた

「私は、売られた喧嘩は買う方だが・・・・・いいかな?」

杖も持たない私を見て眼鏡は勝ち誇った顔をしている・・・・・・が、相手をよく知りもしないで喧嘩を売ったことに、後悔すればいい・・・・・・傲慢な君よ。。。

両手を顔の前に出し、指で三角を作る・・・・・・そうして唇を僅かに動かし陰陽の呪文を唱えよう・・・・・・幾重にも重ねた呪文を用意して、眼鏡が先に仕掛けるのを待つ

「僕は優しいからね・・・・・・あまり酷いのはかけないよ  ステューピファイ!麻痺せよ!」

赤い光線が目の前の私に浴びせられる・・・・・・が、私の周りの防護の膜に阻まれて阻止されグルグルと膜の周りを回っている

「くすっ・・・・・・こんな物なのか?」
ニッコリと微笑んだ私は、指で印璽を切りつつ、掌を膜から出して・・・・・・その赤い光線を捕まえた

バチバチバチバチ・・・・・・・・・

掌で暴れるように火花を散らす赤い光線を、徐々に、ゆっくりと握りつぶしていく

バチン!!!

一際大きな音がしたあと、それは消えた・・・・・・にっこりと笑い続ける私を、眼鏡は信じられない者を見たように目を見開き眺めている

「1度目は警告として、ここまでにしておこう・・・・・・だが、今後セブルスと私に攻撃するのならば・・・・・・私も遠慮はしない事を覚えておきたまえ」
「・・・ふん、何ができる? どうせハッタリだろ?」

「貴方達、何してるのよ!  今は食事の時間でしょう? またセブルスにちょっかいかけてるの?」

シリウスが怒鳴りちらしていると、後ろから女性の声がした・・・・・・どうやら悪戯仕掛け人を怒っているようだ

その声に真っ先に反応したのは眼鏡・・・・・・ニコニコと笑い、纏わりつくように傍に寄る

その人は、綺麗な赤い髪に、明るい緑の瞳の綺麗な人だ・・・・・・彼女が私を見て微笑んでいる

「リリー・・・」
「セブルス、お久しぶりね。 コイツ等がまた迷惑かけたんじゃない?」

「ああ、リリー・・・  僕のリリー・・・君は僕を心配して来てくれたんだね!嬉しいよ、リリー! さあ、君の愛情を示しておくれ! 僕の胸に飛び込んできて!!!」
「五月蝿いわよ! 貴方は今から罰則でしょ! シリウス、貴方もよ! リーマスは監督生なのだから止めてよ、最悪の2人組を!」

「僕に止めれると思うかい? 無理だよ  まあ、でもジェームスにシリウスここから出ようか?」
「何でだよ! この糞生意気なスリザリンに俺達の偉大さを教えてやるんだ」

「覚えてないのかい? ここは大広間だよ・・・・・・あれだけ派手に花火が上がったんだ、マクゴナガルが飛んできてる」

その言葉であわてた2人は、そそくさと大広間を出て行き、ピーターだっけ?が、彼等の後を小走りについて出ていった

視線を感じてチラリとミネルバを見れば・・・・・・ああ、あれから彼女とお茶をしてファミリーネームの「マクゴナガル」よりファーストネームの「ミネルバ」と呼んで欲しいと言われ、この世界での私の母親役を買って出てくれた・・・・・・他人にも自分にも厳しいが、優しい女性だ

そのミネルバを見れば心配そうに私達を見ていたが、私が頷くと安心したように微笑んだ

彼女から目の前の女性徒とリーマス?だっけ、に目を向ければ、セブルスが嬉しそうに女性徒と話し込んでいた

くすっ・・・・・・その彼の様子に、セブルスが彼女に≪惚の字≫なのは見て取れる・・・・・・ちなみに私は屋敷から出されずに育てられたため、祖父の物言いに強く影響を受けている・・・・・惚の字なんて言い方は古いかな?

「セブルス、私に彼女を紹介して!」
明るくハキハキと話す彼女は、緑の瞳をキラキラさせて私を見ているが、いや・・・・・・そんな大したものじゃないのだがな・・・・・・私は。

「ああ、わかった・・・・・・キサラギ、彼女はグリフィンドールの監督生のリリー・エバンズだ。  リリー彼女はキサラギだ」
セブルスの紹介というには簡潔すぎる紹介に、微笑みながらも私はリリーに手を出し、握手を求める

「レイメイ・キサラギです、よろしく・・・・・・あの極悪2人組みから救ってくれてありがとう」
「リリーよ、こちらこそ同じ寮の者が迷惑かけて、ごめんなさい」
「くすっ・・・・・・寮が同じだけ? なんだか眼鏡に懐かれてるんじゃない?」
「こっちは頭が痛いわ・・・・・・いつもあの調子で変態なんだもの」

「くすっ・・・・・変態につける薬ないのかな?」
「ふふっ・・・・・今度セブルスに作ってもらおうかしら」

「あんな馬鹿者につける薬など、僕は知らない」

軽やかに会話していた私とリリーは、大真面目に答えるセブルスの声と表情に同時に吹き出していた

「「ぷぷぅ~~~」」

「貴女とは友達になれそうね」
「私も、そう思う・・・・・・レイと、呼んで?」
「私はリリーと呼んでね」

そうして、私はセブルスとリリーという大事な親友達と出逢うことが出来たのだった。。。

初めての学校で、初めての親友・・・・・・この世界に飛ばされたのも、私にとっては幸運、なのだな。。。

*****

次からは悪戯仕掛け人VSレイ&リリー&セブルスを書きたいです!

最後の方で、リーマスは静かにジェームス達の後を追いかけて行きました
     

④≪癒しの闇≫魔法使いと陰陽師・・・

捏造過多な我が世界に、ようこそ。。。  管理人のすーさんです(笑)

このようなハリー・ポッターの世界が嫌な方は、どうか回れ右でお願いしますね☆

ここからはリリーとレイの友情と悪戯仕掛け人達との攻防をお送りしたいと思います
ギャグまっしぐらで明るくしていきますよん!

セブルス君(学生時代なので、君がつけたくなる管理人どぇす)を幸せな未来へと行かせたい物語です

*****

私には新しく友達ができたの・・・・・・幼馴染のセブルスと一緒の寮に、転入生としてニホンからやってきた「レイメイ・キサラギ」

それが新しい友達の名前。。。

朝、私は早く起きて身支度を済ませ自分の寮であるグリフィンドールの談話室へと降りてきた、けれど・・・・・・朝が早いから、誰もいないのよね

そっと外への扉を開けば彼女は微笑んで立っていてくれる・・・・・・彼女を談話室へと入れた私は、10月の早朝は思いのほか冷えるため杖を振って暖炉に火を入れた

二人で暖炉の前のソファーに座り、勉強を始めるの・・・・・・もう何週間にもなる二人の時間。。。

彼女はニホンのオンミョウジという、魔法族とは違う種類の魔法使い?のようで、セブルスも言っていたけれど彼女の視点から気がつくことが多く、勉強も、考え方も素晴らしくて・・・・・・私は同じ年だけれど彼女のことを尊敬しているの

毎朝、30分くらいの勉強や語らいでも内容は深くて、濃密・・・・・・彼女の一言で私は随分気がつかされて、学べるの。

大好きな友人・・・・・・願わくば、親友と言えるほどに彼女に近い存在になりたい、と思うの

友人と言えば・・・・・・私は昔から友人が多いけれど、悲しいかなその中で私を便利に使おうとする人達が居ることも知っている
特に新学期になってから監督生になってからは、特によ・・・・・・はぁ・・・やになっちゃう

「明るくて誰にも優しい、社交的なリリー」=これが私のイメージ・・・・・・「優等生のリリー・エバンズ」と嘲笑う人もいるけれど、私は私・・・・・・なのに、イメージだけが固まって、私の息を、苦しくさせるの

自分ではイメージを破りたいと思うけれど、それで周りから友人達が去っていくのが正直、怖くて。。。

「リリー・・・・・・何か、気にかかることでも?」
女性にしては少し低い声が、私を心配そうに優しく響く・・・・・・

私の赤い髪、緑の瞳とは対照的に、レイの髪は黒く艷やかで、瞳は黒・・・? 濃紺?に、星が散りばめられているような煌めきを湛えている

小さな顔に切れ長の大きな瞳が、私を見詰めて瞬くのを見れば同性なのに、ドキドキと鼓動が高鳴ってしまうわ・・・・・・だって、レイってば、スカートを履いているのに少年のような雰囲気ですもの

不思議な、それでいて・・・・・・・・・・とても、とても素敵な人

話してみようか・・・・・・彼女なら、レイならば私の・・・・・・こんな些細な、つまらない悩みも真剣に聞いてくれると思うから

そうと決めたら私は早速、レイに話し始めていた。。。

「リリー・・・」
予想通り真面目に、真剣に聞いてくれたレイは、目の前の暖炉の炎を見つめ何か考えてくれている

「君は、真面目な女性なんだね。 それは凄く魅力的だよ。 だけれどねリリー・・・・・・」
「なに? レイ」

「たまにはバカやって発散するのもイイことだよ?」
パチっと音がするようなウィンクをしたレイ・・・・・・私は何を言っているのか分からずに、目をパチクリさせた

「リリー、真面目なことは素晴らしいことだよ。 人から優しい、社交的と言われることも、決して悪いことじゃない・・・・・・それは分かるよ・・・ね?」
「ええ・・・でもね、レイ。  私は、真面目と言われれば言われるほど・・・つまらない人間と言われているような気がするの・・・」

「リリー・・・ 正直に私が思っていることを言っても、いい?」

真正面から瞳を合わせたレイの真摯な目が、私を射抜いてる・・・・・・私は何を言われても受け入れようと、小さく頷いた

「リリー・・・ 貴女は素晴らしい女性だよ。 人に誠実であろうとしてる姿勢も、規則正しく生活を送ろうとすることも、監督生として他の寮生達を導こうとすることも、みんな素晴らしいことなんだよ」

レイの手が私の手を握れば私の心も、手と同じく温かくなっていく

「リリー・・・ 優しいリリー・・・ 友人と称して貴女に近づいて利用としようとする者や、明るく綺麗なリリーを妬ましく思ってる者の言葉になど惑わされないで・・・・・・リリーはリリー・・・・・・そのままのリリーが私は大好きだよ。 ねぇ、リリー・・・無理に近づいてくる人を受け入れなくてもいいんだ」
「レイ・・・」

「リリーは、リリーとして・・・のびのびと両手を広げるように自由になっていいんだ・・・・・・その結果、友人が減ったとしても、残った人が≪本物≫だろ?」
「自由にして・・・残った人が・・・本物・・・・・・」

「ただね・・・」
「ただ?」

「新しい自分を見つけることも大事だと思うんだ」
「新しい・・・自分?」

「そう・・・リリーも知らない、リリー・・・・・・ ふふっ、見つける手伝いを私にさせてくれないかな?」
「お願いしたいわ、レイ」 

「決まり・・・・・・じゃ、そろそろ皆が降りてくるね。 私は戻るよ」
「分かったわ」

扉から外に出ていくレイに、「ありがとう」と声をかければ、ニッコリと笑い右手の指を2本立てて右目の傍でピッと振ってくれた

そのカッコイイ仕草に見惚れながら、見送った私の心は晴れ晴れと青空のように澄み切っていた

こんな爽快感、久しぶりだわ。。。

「貴女は私の親友よ。 レイが嫌がっても私が決めたわ!!!」

晴れ晴れと軽くなった私は、鼻歌を歌いながら談話室へと戻りまだ慣れない1年生の世話を焼いていた

*****

「ふむ・・・ こんな感じだよな?」
「何をしている?」

スリザリンの寮に戻り、談話室にいた私は屋敷しもべに頼んで手に入れた材料と自分の霊能力を混ぜ合わせて「ある物」を作っていた

「普通は大きな厚紙で作るのだが、リリーに贈る物だからね・・・・・・≪特別仕様≫にしたんだ」
「それは・・・・・・何だ?」

「くすくす・・・・・・後で分かるよ」
杖を振り、縮小魔法と軽量魔法をかけたソレをローブのポケットに仕舞い込みセブルスとともに朝食を取りに大広間へと向かった

既に大広間には生徒が大勢いて、グリフィンドールのテーブルを見ればリリーが1年生の世話を甲斐甲斐しく焼いている

リリーと目が合うと微笑んで手を振ってくれたので、私も手を振りかえし・・・・・・隣に立つセブルスを見れば、彼も小さく手を振っていた

「くすくす・・・ 」
彼の少し赤く染まった頬が可愛らしくて、笑っていると、気がついた彼がプイッとそっぽを向いた

「座るぞ!」
「・・・・・・はいはい」

「返事は1度でいい」
「・・・はい」

この、からかいがいのある友人と朝食を取り終え大広間を後にして、人気のない中庭へと来れば・・・・・・来たな、悪戯仕掛け人・・・・・・食堂でのやりとりから、全く懲りない仕掛け人は何度も攻撃してくる

「キサラギ! この間の続きをするぞ」
シリウスだっけ? 顔はイイんだが直ぐに怒鳴り散らす彼には本当に辟易としてしまう・・・・・・煩いこと、この上ないんだ

「今までかわされたのは、まぐれだろう? 今度は違う呪文を試してやろうか?」
髪を櫛で整えたことはあるのだろうか? くしゃくしゃな黒髪に丸眼鏡の・・・・・・ジェームスだっけ?が、いきなり杖を構えている

「・・・・・・すまない、止められなくて」
申し訳なさそうな彼は・・・・・・リーマスっていったっけ? 今日は顔色も悪くて、気分も悪そうだな・・・・・・彼も監督生だからか強気に息巻いている2人組み(シリウスとジェームス)を止めながらも止められず付いてくる形になったのだろう

だが、彼の顔色の悪さが気にかかる・・・・・・あれはどう見ても医務室行きだろう? 額に油汗までかいているぞ

ピーターという小柄な小太りな少年がリーマスをおどおどと気遣わしげに見てはいるが・・・・・・見ているだけで、何もしないのか・・・・・・ふむ、面白い関係だな

じっと反応なくリーマスを見つめている私に痺れを切らしたのか、焦れたシリウスがまた怒鳴り散らしている

ああ・・・・・・五月蝿い、煩わしい。。。

セブルスが私を背に庇いつつ、ローブから杖を出し応戦している

「性懲りもなく仕掛けてくるな! そんな時間があるのなら教科書でも予習しておけばいいだろう」
「あはっ セブルスらしい・・・な」

「僕達は予習しなくても成績は首席だからね」
「ふん! スニベルスと違って本に齧り付かなくてもいいんだよ」

嘲笑・・・・・・セブルスに向かい、嘲り笑う2人は・・・・・・吐き気を催すほどに、醜い・・・・・・

何故、努力を笑うのだろう?  何故、関わりあいにならないようにしている者を、わざわざ攻撃しようとするのだろう・・・・・・何故?

セブルスが自分から彼奴等を攻撃しようだなどと、見たことがない・・・・・・

人とは、面白いものであり、美しいものであり、醜くもあるのだな・・・・・・

そんなことを思っているとジェームスが苛々として、攻撃をかけようと杖を振りかぶった


「あなた達!!!  何をしているの!」
リリーが来てくれたようだ・・・・・・  くすっ、彼等でリリーの悩みを吹き飛ばしてみようかな?

くすっ  ・・・・・・くすくすくす・・・・・・・くすくすくすっ・・・・・・

*****

「レイ、大丈夫? まったくもう! 問題起こさないでよ! あなた達のせいで減点ばかりなんだから!!!」

プリプリと怒るリリーが可愛らしくて、私はつい微笑んでしまう・・・・・・

「リリー!!!  ああ、愛しいリリー!!! 僕の心は君で一杯だよ! さあ、愛を確かめ合おう! いざ、僕の胸に飛び込んでおくれ」
「結構よ!!!」

一言で切り捨てたリリーが彼等の横を通り過ぎ、私とセブルスの前に腕を組んで仁王立ちしている

「恥ずかしがっているんだねマイ・ハニー!!! 僕と君の仲で遠慮なんていらないんだよ! さあ、愛の抱擁を!!!」

1人、リリーへと近寄ってくる眼鏡は変態特有の妙な迫力で迫ってくる・・・・・・それに少し怯んで後退りするリリー

そのリリーの後ろに立った私は、手に縮小魔法を解いたモノを握らせて、私がリリーの手を取り導くように構え・・・・・・・思い切り、振り切った

≪  バチコォォォーーーン ≫

「なにこれーー」
「どうかな?」
「レイ、何だかコレって凄く、凄く・・・・・・楽しいわ!」

「リリー・・・ 嫌なものはコレで叩き潰したら?  これがリリーの発散になると思うよ」
「ありがとうレイ」

眼鏡はというと、顎にキレイにヒットしたのか数歩後ろにいる仲間達の所に飛んでいた

眼鏡がズレて、呆気にとられているのかポカンと口を開いてリリーを見ている

「・・・レイ、朝から聞いているのだが・・・それは何だ?」
「くすっ・・・・・・ハリセンて言うんだよ」

「ハリセン?」
「そう、日本のお笑いで使うんだけどね、リリーの武器とストレス発散にと思って作ったんだ」

セブルスと2人でリリーを見やれば、余程気に入ったのか何か怒鳴っているシリウスの尻にもハリセンでばしばし叩いている

「痛ぇっ! 痛いってば、リリー! おい、エバンス」
「リリー! 僕のリリー! その凶器を捨てて・・・痛いっ! 痛い!」

「あんた達、早く授業に行きなさい!!!  レイ、これありがとう! 思う存分使わせてもらうわ」
「どうぞ・・・ 小さくなるからローブにしまってね」
「分かったわ!」

ジェームスとシリウスの2人を追い立てて行くリリーは、綺麗な満面の笑顔でハリセンを使い続けていた

くすっ・・・  あれならば良いリリーの憂さ晴らしになるだろう うん、我ながら良い変態の活用方法を見つけたな

そんな3人の後を小太りの少年が追いかけていき、私達も授業に向かうため歩き出そうとして・・・・・・崩れるように芝生の上に座り込むリーマスを見た

「セブルス、先に行ってて」
「・・・・・・・・・・・分かった。教科書を寄こせ、運んでやる」
「ありがとう、セブルス」

セブルスを先に授業に行かせた私は杖を振り、リーマスを・・・・・・そっと浮かせて人目につかない場所へと運んでいく

最初に見た時から思っていた、彼の人とは違う気配を・・・・・・・・ 悲しみと苦痛と、自嘲と優しさ・・・・・・彼の持つ重荷の検討はついていた

この魔法界でも蔑まれる人種がいる・・・・・・

「穢れた血」と呼ばれる、魔法族の両親以外から生まれた魔法使いのこと。
「スクルブ」と呼ばれる、魔力のない魔法使いのこと。

そして、人々から嘲り、蔑まれ、石を投げられ迫害される者達・・・・・・それが人狼と吸血族。

人狼に噛まれれば、噛まれた者も人狼になってしまうという悲劇・・・・・・しかも満月の夜、人狼になっている間は「人」としての意識がなくなり「狼」の本能だけになり周りの人を襲いまくる

それ故に忌み嫌われて迫害され続けてしまう・・・・・・人狼だとバレてしまえばその土地には、もういいられないほどに・・・・・・

では、意識が保たれれば・・・どうなのだろう?

たとえ人狼に変身したとしても、人としての意識があれば・・・・・・だが目の前の彼に「君は人狼だね」なんて酷なことは言えない

魔法族とは明らかに違う私の力は、何か助けにはなれないのだろうか?

彼とあのイカれた2人(ジェームスとシリウス)は、確かに友情で繋がっているようだ・・・・・・だが、リーマス

彼の心にはハッキリと影が浮かんでいる

たぶん、初めての友情を嬉しく思うとともに、今までの迫害から自分を卑下している彼は自分の言いたいことは無意識に抑えているのだと思う

遠慮・・・・・・強く自分を主張して初めて出来た友人達を遠ざけてしまうことを何よりも恐れている・・・・・・

ああ、いけない・・・・・・  私の能力で知り得ることは、彼等には秘密を暴く賊徒のようだな

心の深くにある傷に土足で踏み躙る行為と同じことになる・・・・・・ 私こそ忌み嫌われるべき、化け物なのに・・・・・・

私は、なかば気絶しているように寝転んだ彼の頭を膝にのせ、柔らかな鳶色の髪を、指で優しくすいていく

前の世界で、私は陰陽師の霊力の強い一族の総帥の娘に生まれた
私は先祖返りをしている並外れた強い霊力を生まれながらに備えており、そのため隔離されるように屋敷の奥深くで育てられた

他の陰陽師に奪われないように、強すぎる霊力を恐れられ一族の中には私を贄に備え・・・・・・殺そうとするものもいた

私に近づく者は、祖父と祖母と年の離れた兄だけだった

霊力で知ってしまう、その人の本質に、観察眼というのか・・・・・・「無意識に分かってしまう」ということは、幼い頃から「化け物」と忌み嫌われていた

私は幼い頃の私ではないのだから、何とか彼の悲しみを・・・・・・微力ながらも軽くはできないのだろうか?

・・・・・・私も傲慢なのかも、しれないな

だが、目の前の苦しそうな顔を少しでも和らげたいと思うのは、偽善なのだろうか?

・・・・・・・・いいや、やっと、異世界ではあるが「人」と関われるようになれたのだ。

私も、私の両腕を広げて生きられるように・・・・・・のびのびと自由に、生きていきたいのだ

『お前のやりたいように、生きなさい』

兄さんの声が、風にのって聞こえたような・・・・・・そんな気がした

私は、私のやりたいように・・・・・・人と絆を作りたい。。。

*****

「うわっ! ごめんよ ///」
「くすっ・・・いいさ」

しばらくして目を覚ましたリーマスは、私の膝枕で寝ていたことに顔を赤くしながらも謝っていた

「体調は大丈夫?」
「ああ・・・ちょっと持病でね」
「そう・・・・・・ ねえ、少し私の術をかけてもいいかな?」

そう、切り出した私の顔をリーマスは優しい微笑みを崩さずに・・・・・・でも警戒するように目だけが、笑わなくなった

「東洋の秘術だよ・・・・・・別名、おまじない!」
「おまじない?」
「んーー  君の痛みを和らげる、気休め程度の【おまじない】さ。 やってみるか?」

彼は髪と同じ鳶色の瞳を和ませて、しばらく考えたあと頷いた

「気休めなら、やってみようかな・・・」
「じゃ、目をつぶって? ああ、心配しなくても君達みたいに悪戯はしないから安心して?」

私のその言葉に、彼はすまなそうに頭を下げる・・・・・・君じゃなくてもあの2人は止まられないよ

そんな会話の後、目をつぶった彼のおデコに右手の指をつけ・・・・・・呪文を唱える

やはり、人狼になることは止められなさそうだ・・・・・・だが、意識は人のままに・・・失うことが無いように印璽を切り額に六芒星を刻み、私の霊力を篭めた

見た目は変わらないが、彼が人狼になるとき発動するだろう

「終わったよ」
「何だか額がポカポカしてるよ」
「私の力を篭めたんだ。 もし、効いたら感想でも聞かせてくれ」
「ああ【おまじない】の結果だね」

すっくと立ち上がった彼の顔色は、先程よりも良かった
私も立ち上がり、授業開始時間ぎりぎりなので「それじゃ」と挨拶して駆け出したのだが、釣られるように彼も走って授業に向かった

遅刻ギリギリでも間に合った教室で、満月を明日に迎えた時期にリーマスが走れたことに彼の親友達は驚いていたのだった

*****

個人的に大好きなのは教授なのですが、構いたくなるリーマスでした(笑)
彼も、のびのびと生きて欲しいです。

     

⑤≪癒しの闇≫魔法使いと陰陽師・・・

さてさて今回は、この物語では10月になってますので、ハロウィンを題材に書きたいですね

*****

私は校長室に呼ばれて向かっていた

ガーゴイル像に向かい、精巧な作りをしげしげと見ていたら急に動き出し階段が現れた・・・・・・ので、私は登っていった

「ふぉふぉふぉ・・・ ようきたのぉ~~ Msキサラギ」
「こんにちは校長・・・  御用件は?」

「魔法省で君の血筋がないかと調べた件じゃがのぉ・・・」
「いましたか?」

ダンブルドア校長は静かに首を振った

「だがの、君の血筋を主君として崇める家の者達が残っているそうじゃ」
「それは見つかると面倒なので、私のことは隠しておいて下さい」

「そうか? ならばこのまま此処にいるということで良いかの?」
「はい、お願いします」

さっと杖を振った校長が、紅茶を出してくれて2人で飲んでいたらミネルバが部屋に入ってきた

「校長、よろしいですか?」
「ああ、いいぞぃ」

「ハロウィンなのですが、今年は何か催し物などは如何ですか?」
「ミネルバが言い出すとは、珍しいこともあるものじゃのぉ~」
「レイはハロウィンを知らないと言っていますので、何か楽しいものをと思ったのです」

ミネルバの優しい瞳が私を見つめてくれる・・・・・・応えるように私も微笑んで、紅茶をいただいた

「ハロウィンとは、何をするのですか?」
日本の旧家にいた私は西洋の催し物など、からっきし解らなくて・・・・・・きょとん、と校長とミネルバを見てしまう

「ふぉ ふぉ ふぉ そうか、レイは知らないのか・・・では、何か楽しい事を起こそうかのぉ~~」
キラキラと少年のようにアイスブルーの瞳を輝かす校長に、何か・・・・・・背中に悪寒が走るのだが、気のせいか?  うん、気のせいだな。  気のせいだと、思いたい。。。

妙にテンションの上がった校長を置いて部屋をミネルバと共に出ていきながら、横を見れば彼女も小さく溜め息をこぼしている

「はぁ・・・ アルバスに言うのは間違いだったかしら?  もっと他に相談して案を固めてからの方が・・・ぶつぶつ」
「くすっ でも許可を取るために結局は校長に話さなければいけないのだから・・・・・・同じじゃないの?」
「そう・・・ですわね。 この件はアルバスに任せておきましょう・・・レイはこれから授業ですか?」
「はい、寮に戻り教科書をとってきます」

ミネルバと別れ歩いていると寮の入り口でセブルスと合ったが、彼は壁に寄りかかり本を読んでいた

「セブルス! 一緒に行きたいから少し待っててくれないか? 教科書を取ってくる」
「次の薬草学は先生の都合で休みだと連絡があった」
「・・・・・・そうなのか。 じゃ、どうしようかな・・・」
「・・・・・・僕はこれから図書室で自習するが・・・・・・レイも来るか?」

「助かるよ、色んな授業で質問したいことがあるんだ! ・・・・・・教えてくれる?」
「・・・・・・必要なものを直ぐに取ってこい  待っててやるから」

私の顔はとびきりの笑顔が浮かんで、セブルスを見つめた後、寮の中へと教科書や質問を記した羊皮紙を取りに行き・・・・・・気がついたんだ

きっと、此処で本を読んでいたのは・・・・・・私を待っててくれたからだと

校長に呼び出された事も、もしかしたら心配してくれていたのかもしれない・・・・・・きっと、そうだ。。。

私の胸の中が、ほっこりと暖かくなるのが分かった

私は急いでセブルスの元に戻り、図書室で彼と2人有意義に学びの時間を楽しんだのだった

*****

≪寮対抗! ハロウィン仮装パーティーのご案内≫

※今年の10月31日は授業のない土曜日に当たるので、生徒諸君はそれぞれ趣向を凝らして仮装し、各教科の先生方に飴を貰うのじゃ!  先生方は仮装の出来で与える飴の量や、余りに不出来な場合は罰則にて対応して下さるじゃろう~~
31日の夕食のとき、大広間にて各寮ごとに集めた飴の重さで得点を決めるぞ!  我こそはと思うものはどしどし仮装するのじゃぞ!

・・・・・・・・・こんな掲示板が貼られて、私は目が点になってしまう・・・・・・ハロウィンて、こういうのなのか???

「セブルス・・・・ハロウィンて仮装するのか?」
私の頭の中では祖父が好きで見ていたテレビ番組の「欽○ゃん仮装大賞」が浮かんでいた

「小さい子供達がモンスターやオバケに変装して家々を回るんだがな・・・・・・お祭り好きな校長だからな、騒ぎたいんだろう・・・はぁ・・・」
「あ! 何て言うんだったかな・・・・・・トリック・オア・トリートだろ? お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞーーーーー」

私は横に立っているセブルスの脇腹をコチョコチョと両手でくすぐった

「ひゃ・・・  ///////  キィ~サァ~ラァ~ギィィ~~~」
「うわっ!! 怒るなよ、セブルス! ・・・・・・声、可愛いじゃないか」
仕返しとばかりに私に向かってきたセブルスを交わしながら、からかった私が馬鹿だった・・・・・・耳を真っ赤にさせた彼が、物凄い怒った顔して追いかけてくる

青白い顔したモヤシっ子のように見えて、彼は足が早く・・・・・・執念深いんだ
長い廊下では振り切れず中庭を抜け、湖の方まで走ったが・・・・・・追いつかれて、捕まってしまった

「可愛いって・・・はぁ・・・褒めたぞ・・・ぜぃ」
「うるさいっ!!! お前も、こうしてやる!!!」

セブルスの指の長い両手が容赦なく私の脇腹を、左右同時にくすぐり・・・・・・・明らかに私がした以上に長い時間続けるんだ

「こう・・・さん・・・もう、降参だ!・・・きゃ・・うぁぁん・・・ひゃん・・・やぁあ・・・んん」
「分かったか、僕には勝てないぞ!」

「もう・・・やめっ・・・きゃうう・・・・・・やぁぁん・・・やめっ・・・て・・・せぶぅぅ・・・」

急に、バッと離れたセブルスが赤い顔して立っている横で、私はまだ息もつけずに芝生に座り込んでいた

はぁはぁと息も絶え絶えだし、目には涙が溢れてくるし、私はまだ指が這う感覚に参っていた。。。

***

レイが此処に来て1ヶ月が過ぎた。
この頃、彼女の態度が変わっているのに気がついていた僕は、その変化が嬉しくもあった

まず、よく笑うようになった。
リリーか僕と、居るときレイはよく笑うのだ・・・・・・花のように無邪気に、楽しそうに。

それに・・・リリーにも変化が見えるようになったのは、毎朝グリフィンドールの談話室でリリーと勉強しているというレイのお陰か、リリーの少し頑なな感じが取れてますますリリーは明るくなった

授業が終わると、たまに図書室でリリーとレイ、そして僕の3人で勉強する機会も増え喜ばしいことだと思う

レイがリリーに与えた「ハリセン」というモノが、殊の他リリーの気に入ったようでポッター率いる悪戯仕掛け人達をバンバン撃退している

レイの篭めた力でハリセンはリリー以外が持つと電流が流れる仕組みになっており、ポッターが餌食になって僕の胸をスッとさせた

勉強の方も最初の丸暗記から、自分の知識と照らし合わせて考え、理解し、考察するようになり・・・・・・ますますレイと勉強の話が楽しくなった僕だった

そんな感じで、寮も同じで・・・同級生なのだから授業も同じなレイとは自然に一緒にいる時間が増え・・・・・・今では、ほぼ朝食から就寝時間まで一緒にいるようになっていた

まあ、その・・・レイは他の者と違い、騒がしくはないし、勉学でも話が合うし、一緒にいて少しも苦痛を感じないという稀な人物だと僕は思うのだ

そんな、彼女の表情も態度も打ち解けたものになりつつあった、ある日、掲示板の前で・・・・・・レイが僕に悪戯を仕掛けてきた

といっても両脇をくすぐるという可愛らしいものなのだが、ヤラレっぱなしは僕の性分じゃないので追いかけて、追いかけて、追いかけた。

僕は、余り運動は得意じゃないが走るのは子供の頃から早かったんだ・・・・・・ふふふっ、逃がすか!!!

途中「声が可愛い」だなどとからかわれたので、絶対に追いついてやると全力を尽くす!

湖の方で捕まえたレイは、ぜぃぜぃと息を切らしていたが逃げようとするからな・・・・・・思いっきり両手で僕がヤラレた以上に脇腹をくすぐってやる

面白い・・・・・・  くすぐられるのが弱いのか、僕以上に声を上げるレイに、僕は愉しくなってしまった

体を捻じり悶えながら、真っ赤に頬を染めて笑っているレイが無意識にブンブンと頭を横にふっているから・・・・・・綺麗な黒い髪がサラサラと舞って、何かいい匂いがする

「こう・・・さん・・・もう、降参だ!・・・きゃ・・・うぁぁんん・・・ひゃん・・・やぁあ・・・んん」
「分かったか、僕には勝てないぞ!」

こんなに笑うレイは、初めてだな・・・・・・ふん、面白いではないか! 僕は調子にのり、くすぐる手を止めずに続けていた

「もう・・・やめっ・・・きゃぅぅ・・・・・・やぁぁんん・・・やめっ・・・て・・・せぶぅぅ」

な! なんて声を出すんだ!  レイのあられもない嬌声と、腕の中で身悶えるレイの顔を見て、僕は慌てて手も身体も放した

いつも少年のように凛とした態度と、冷静で表情の変わらないレイの変わりように・・・・・・僕はゴクリと喉を鳴らした

ぺたん、と芝生の上に座り込んだレイは自分の両手で躰を抱きしめ、息を整えている最中だが・・・・・・僕を見て軽く睨んで頬を膨らませている

「ひどいぞセブルス! 私よりよっぽど長い事くすぐって・・・・・・」

その・・・頬を染めつつ、涙目のレイが・・・・・・僕の鼓動を≪どくん≫と大きく動かした

≪どくん≫の次は≪トクトクトク・・・≫と、やたら騒がしい鼓動に知らぬ振りをしながら僕はレイに手を貸して立ち上がらせた

「ふん! これに懲りたら僕をからかうなど、しないことだな」
内心の動揺をおくびにも出さずに、ふふん!と鼻で笑ってやれば・・・・・・レイは悔しそうに僕を見上げて・・・・・・その上目遣いにも、僕の鼓動が騒がしい・・・・・・

≪僕はリリーが好きなんだぞ、レイは友人だ。  僕が好きなのはリリーでレイは友人なのだ。≫

そんなことを頭の中で繰り返していた僕は、気がついていなかったのだ・・・・・・憧れと恋の違いを。。。

幼馴染のリリーへの慕情と、狂おしいくらいの愛を・・・・・・僕は違いが分かっていなかったのだ・・・・・・

ああ、この時に・・・・・・もしも、この時に・・・・・・お前への気持ちに気がついていれば、未来は変わったのだろうか?

この時に、気がついていれば・・・・・・お前を長い間、見失い、探し疲れるような時を過ごさずに・・・・・・すんだのであろうか・・・・・・

ああ、この時に・・・・・・僕は、確かにお前に、恋を、したのに・・・・・・

*****

「信じられない・・・・・・」
満月の前日の夜から、いつものように先生に付き添われて窓の打ち付けられた【叫びの屋敷】に来た私は、大人しく屋敷の中にこもっていた

夜空に輝く満月の光を浴びると、私は恐ろしい人狼へと変貌してしまうから・・・・・・光さえ浴びなければ姿は人のままだが、意識は混濁しひどく暴れて手が付けられないんだ

幼い頃に人狼に噛まれてしまった我が身を、何度、呪ったことだろうか

だが・・・私は直ぐに自分の体の体調が、いつもより良いことに気がついた

「???」

満月の夜が近づくにつれて、体の怠さや熱、痛みに苦しんで・・・・・・本当に一晩中、痛みで床に転がるくらいなのに・・・・・・信じられないことが、起こっているんだ

怠さは、ある・・・だが、痛みが弱い・・・熱も、無いようだし何より正気のままだ・・・・・・何の変化なんだろう?

私は隠っていた2階の部屋から1階に降りて、いつもは手を付けない(痛みで食欲が無く入らないのだが)食事の入ったバスケットを開けていた

「リーマス・・・ 居るのか? 静かすぎるな・・・」
「大丈夫かよ、リーマス。 何かあったんじゃないだろうな!!!」

この声はジェームスにシリウスか・・・・・・様子を見に来てくれたんだろうが、いつもならとっくに(狼に変身しなくとも)意識も無く叫び、暴れ、吠えているからな・・・・・・こう静かだと驚くのも無理はないだろう

自分でも信じられないんだから。。。

「私はここだよ」

「リー・・・マス?」
「おい、満月の夜だぜ? 平気なのか? 正気・・・なのか?」

2人は、もぐもぐと食事をしている私を見て、やや呆然としている・・・・・・が、先に気がついたのはジェームスだった

「リーマス、君・・・額に何かした? 何かが、うっすらと浮かんでるんだ」
「ああ! そういえば・・・・何だ?これ?」

「魔法陣みたいに見えるけど・・・・・・この形は、初めて見る」
「ああ、そうだな・・・それに文字が浮かんでいるが・・・・・・古代ルーン文字でもないし、英語でもない」

  額?  額・・・・・・!!!!!

「ああ!!! あの娘だ!」
私は唯一、思い当たる事を2人に話していた

「じゃあ、その【おまじない】のおかげでリーマスは狼にも変身せずに正気でいられたって・・・・・」
「・・・・・・そのようだね」

私の心臓がだんだんと早くなり、興奮していくのを抑えることができないでいる
だって、だってだよ! 変身しないんだ! 我が身を呪うほどに嫌な人狼に・・・・・・変わらないんだよ!!!

しかも正気を保ったままでいられるし、体の調子なんて前に比べたら気になるほどでもないんだよ!

その時、また誰かの気配がして振り返ると・・・・・・そこにはアイスブルーの瞳を驚きに見開いた校長が立っていた

「これは・・・どうしたことじゃ? リーマスよ、正気を保っておられるのか?」

私はもう一度、校長にも話して・・・・・・校長が何か答えをくれるのを待っていたんだ

「ほー・・・そうか【おまじない】かの・・・  リーマス、この奇跡を起こしたMsキサラギに詳しく話を聞かねばなるまいの・・・・・・感謝と共に、の・・・」
「はい、校長先生」

元気になったら私は君に会いに行くよ、そして願わくば・・・・・・この奇跡を再び起こして欲しい・・・・・・欲張りだね、私は。。。

そうして満月の夜の翌日・・・・・・私は医務室からの帰り道、彼女を探していたんだ

よく湖のほとりでセブルスと読書する光景を見かけていた私は、その場所まで何とはなしに歩いて行って・・・・・・そこで見てしまったんだ

彼女がセブルスにくすぐられて、頬を染めて笑っている所を・・・・・・初めて、彼女の笑顔を見ることができたんだ

くすぐったがり・・・・・・なのかな? 君は物凄く、はしゃいで・・・声も上げていたね。
私達が見たこともないような、笑顔で・・・・・・・・・・セブルスが羨ましいと、心底思ってしまった。

「アイツ・・・・・・あんな顔もできるんだな」
横からシリウスが、私と同じように彼女に魅せられて・・・・・・呟いていた

「あの声・・・・・・ずいぶんとイイ声で鳴くんだな」
「シリウス? 彼女には何もしないでよ」
「リーマス? 女の事は俺に任せろよ!」

何だかシリウスの目に、嫌な光が宿ったように見えたのは・・・・・・気のせい、だよね

・・・・・・気のせい、だよね シリウス?

******

リーマスって、怒らしたら1番怖いタイプだと思うのは管理人だけでしょうか?
黒リーマスも書いてみたいですね!

では、楽しんでいただけたら幸せです♪

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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