上:☆900打リクエストSS☆

こんにちわ! 900打の拍手総数を踏まれた 椿さまからのリクエストです

舞台は新羅ですが、ミシルが魔女というファンタジーな感じですので、通常のシリーズでは味わえないお話をどうぞ。。。

***

夜中、ミシル宮を出たトンマンは、ふと胸に撒いていたサラシが緩むというよりは、ずり落ちる感じで立ち止まる。。。

ぱたっ・・・ぱたたっ・・・・

何気なく手を胸やら脇やらに当てていると乾いた音はすれども、いつもの手触りとは違う・・・・・・

建物の陰に隠れたトンマンが恐る恐る上着の前を広げればそこには、真っ平らな男の胸が・・・・・・・・・

「 な・・なん・・・なんで? 」

ハッと顔を上げたトンマンは再び下を向き、恐る恐る手を股間へと伸ばして・・・・・・・・・・・

「 なんじゃこりゃぁぁあああーーー!!! 」

あまりの驚愕に叫ぶトンマンの声が、暗い建物の陰から王宮全部に響き・・・・・・新羅中の夜空に響いていた。。。

***

「 ほほほ・・・」
ミシルはそのトンマンの声を聞きながら楽しそうに笑っている

ミシル・・・彼女の持つ魔術の謎を解こうとしているチョンミョン公主の命により、探りに来たトンマンに「ミシルの呪い」をかけたのだった

「 ばばあ、また何かしやがったな・・・・ 」
部屋の外ではミシルと真智王との息子であるピダムが、黒い花朗服に身を包み・・・・立ち聞きしていた

自分の母ではあるが王である父を幽閉し、政務を取り仕切っているミシルとその側近たちが嫌で王宮を飛び出て十年、幼い時からの世話役であるムンノ公のもと身を寄せて、みっちりと鍛えられ花朗として再び戻ってきたのだった

人には過分な力を手にしている母ミシルを倒すために・・・・・・そうして母を探っていたのだった

***

ミシルの力の根源、それは開祖であるパク・ヒョッコセが生まれた卵が全てにおいてミシルの意のままに従う事に終始していた

神殿の奥の奥、ひっそりと厳重に置いてある卵様の異変に気がついたのは神殿の長であり類まれな占力をもつソリの夢だった

その当時、ムンノやソルォンらと共に花朗(ミシルは源花)として修行に明け暮れていた頃、ソリに卵様と対面させられたミシルは・・・・・・息づくように光り始めた卵の前で、頭に響く声のまま・・・真っ裸になり石の卵を全身で抱きしめた

その時、眩い光に包まれたミシルは何年経とうが衰えぬ美貌と、魔術を身につけた

そうして真興大帝さえも、虜にし卵様を操り遺言とは違う真智王を王にし、まんまと王妃の座に座る事ができたのだった

酒に溺れ体調を崩した王を看護の建て前で幽閉し、前の王妃の子供達も蹴落として自身が産んだピダムを王位継承権1位に据えたのだった

そして月日は流れ・・・・・・王宮を嫌い、ミシルを嫌ったピダムが武者修行の旅から帰ったとき、彼にはチョンミョン公主との縁談が持ち上がっていた

***

「 冗談じゃない! 」
「 ええ、冗談ではありませんよ、兄上 」
日月星徒の花朗でありながらも、この破天荒なピダムを抑えられる唯一の弟としてポジョンはピダムに仕えていた

産みっぱなしで子育てに興味の無いミシルは、ピダムを愛人であるソルォンとその妻に育てさせていたから、翌年そのソルォンとの子供ポジョンとは生まれたときから一緒に育っていた

「 お二人とも聖骨のお血筋です・・・ お似合いでしょう? 」
「 ふん! ばばあの手駒になるのなんか真っ平ごめんだ!!! 」

「 それはそうとして・・・・・・兄上のお知りになりたかった事が判明しました 」
「 さすがだな・・・お前は優秀だ 」

ニヤリと口角を片側だけ上げる笑い方は、兄が嫌っている母そっくりだとポジョンは可笑しくなった

「 先日からミシル様の宮にトンマンという朗徒が出入りしてました。 礼部令ミセン公が先日の使節団をもてなすもの・・・かりぃー・・・とか言うものを落として使えなくしたときに、材料や作り方を教えて救ってくれた者だそうです 」
「 で? 」
花朗服の上に腰当や胸当てをつける手伝いをしながら話を続けるポジョン・・・・・・

「 そして彼の者がローマ人の言葉を知っていると判り、ミシル様が先だって手に入れた書物を読ませるために呼んでいたようです 」
「 ふぅ・・・ん ローマ人の言葉がわかるのか・・・ 」

ポジョンは自分の母の事なのだが、「母上」などとミシルの事を呼んだ事は無く、たえず「ミシル様」と呼んでいる・・・・・・産んでくれたはいいが、1度も抱きしめられた事なく父の妻達に可愛がられていた自分と兄にとってミシルは他人よりも遠い存在なのだ。。。

「 ですが、彼の者はチョンミョン公主と親しくこの度の縁談に公主が頷かないのも彼の者がいるからと思われたようです 」
「 チョンミョン公主も、ばばあの弱みを握って自分の縁談にまでしゃしゃりでるのを牽制しようとしたって所か・・・・・・ 」

「 そのようですね・・・ 兄上はどう動かれますか? 」

ポジョンの問いに、くつくつと喉を鳴らして笑う兄の様子に察したポジョンは・・・・・ニヤリと笑った

「 トンマンはユシンが率いる龍華香徒の朗徒です・・・そうですね、今時分なら練武場で鍛錬しているでしょう 」
「 行くぞ! 」

黒い疾風のように素早く動くピダムに、ポジョンもきびきびとした動きでついていった。。。

***

「 やぁーー  とぉおーー 」
「 トンマン、今日はやけに張り切ってるなぁーー 」

チュクパンがからかい口調でちょっかいをかけてくるが、トンマン自身「男」という身が、ここまで力強いとは思わなかった

体が軽く、力が漲り、いつも歯を食いしばり皆に必死で遅れまいと頑張っていた体が走る事も、木刀を素振りするのも軽々とこなせていくのだ

「 なんか調子いいんだ、俺! 」
「 トンマン、楽しそうだな~~~ 」
大男だが気の優しいコドが自分の事のように嬉しそうに笑って見つめている

『 ミシルの呪いで命を落とさなかっただけいいさ! 』
なんだか、男って楽しいかも・・・・・なんて呑気に考えているトンマンは、もともと「男」としてユシンやチョンミョン公主に仕えようと誓ったばかりだったから、本当の男になったのも深く考えなかった

その目の前に、黒の花朗ピダムが現れるまでは・・・・・・

***

「 ユシン朗、貴公の朗徒のトンマンという者を少し借りたいのだが・・・ 」

花朗の執務室で呼び止められたユシンに、ピダムはそう話しかけ・・・・・・ユシンは聖骨でもあるピダムに跪いて話を聞いていた

「 トンマンをですか? 」
「 ああ、珍しい言葉を話すと聞いてな・・・興味をもったんだ・・・ダメか? 」

「 いえ、ピダム公にお貸しします 」
「 すまないな 」

トンマンは自身が預かり知らぬ所で、ピダムに貸し出されていた・・・・・・トンマンがこの場にいたら「 俺は犬猫じゃない! 」と喚き散らしたことだろう

憮然とした顔でユシンから事情を聞いたトンマンがピダムの前に現れたとき、なぜかピダムの目が見開かれ・・・・・・じっと見つめていた

『 うわっ・・・好みだ 』

そう、ほっそりとした長い首に小さな可憐な顔、だが意志の強い瞳が全体の印象を引き締めて・・・・・・ピダムを惹きつけた・・・・・・そうして見惚れたトンマンの声が、昨晩ミシル宮の近くで響いた驚愕の声と同じ人物だと気がついてピダムの目が、細く鋭くなっていった

ピダムは練武場からトンマンを連れて自身の宮へと連れてきて、ポジョンと共に部屋で茶を飲んでいる

「 昨晩、トンマンはババア・・・ミシルに呪いをかけられたんじゃないか? 」
鋭い観察眼をもつピダムは、湧き上がった質問をトンマンにそのままぶつけてみれば・・・・・トンマンはわたわたと焦り始め、事実だと自分から白状していた

「 そうです・・・でも、命を取られたわけじゃないからいいんです! 」
「 ふ・・・ん どんな呪いをかけられた? 」

「 それは・・・言えません! けど別段困ってないので大丈夫です! 」
「 変なヤツだな・・・呪いなんだ、困るだろう? 」

「 俺の場合は困りませんでした! 」
胸を張り、自慢するようににっこりした顔で言うトンマンに、ピダムはおろかポジョンですら訝しんだ視線を投げたのに・・・・・・にこにことトンマンは上機嫌だった

「 失礼! 」
ポジョンがトンマンの朗徒服の前をいきなり広げると、肌は女のように白く、女より肌理細かいが其処に広がるのは・・・・・・ぺったんこな男の胸だった

「 ポジョンどうした? 」
「 兄上、様子から見てこの者にかけられた呪いは《 真逆の術 》だと思ったのですが・・・・・・もしや、こやつ! もともと女だったのか? 」

呑気に2人のやり取りを聞いていたトンマンだが、女・・・という単語で慌てふためき・・・・・・ピダムの打って変わった厳しい目に観念して「そうだ」と応えていた

「 女が男に・・・ たぶんババアは男を女に変えたつもりなんだろうな・・・ ならお前、このままユシンの所に居ると危ないぞ! 」
「 なぜですか? 」

「 ババア・・・ミシルはお前を女として発表して龍華香徒の朗徒に女がいたとユシンを陥れようとするだろうし、そのお前が男で発表したミシルに恥をかかせたら・・・どうなると思う?・・・ 」
「 お・・・脅しっこ無しです! ・・・どうなるんですか? 」

ニヤリ・・・と笑うピダムの男らしい精悍な顔に、トンマンの胸が少し・・・ざわめく

『 ・・・??? なんだ胸がざわざわ・・・・する??? 』

「 あの馬鹿みたいに誇り高いババアのこった! お前に死の呪いをかけるだろうし、邪魔になるユシンにも同じようにするだろうな・・・ 」
「 え? 死ぬのは嫌だ!!! 男になるのは構わないけど死ぬのは嫌だ! ムンノにまだ会えてないのに!!! 」

「 師匠に会いたいのか? 」

急に出てきた己が師の名前に何か訳があるのだろうとピダムはふんだ・・・・・・女の身で今まで男と偽っていたのも・・・・・・その≪何か≫なのだろう・・・・

思案しつつも、ピダムはトンマンの≪何か≫には触れずに、師匠と呟いてから「会わせてくれ」と煩く叫ぶトンマンに提案した

「 あのババアに一泡吹かせてやる・・・・そのために俺に協力してくれたら師匠のムンノに会わせてやる! わかったな? 」
「 はい 」

「 交渉成立だ! ならさっそく・・・・・・ババアに対抗できる人に会いに行くぞ! 」

ぱん!!!と1つ手を打ったピダムが、早速行動に移していく・・・・が、事情もピダムの人となりもわからないトンマンは「 は? 」と呟き、ポジョンはかねてから報告済みだった事柄を思い出している

「 馬引けーーー 」

***

颯爽と真っ黒な愛馬に跨ったピダムは、さすが花朗という美丈夫ぶりでトンマンさえも少しの間、見蕩れていた

「 ほら、手を貸せよ 」
「 俺だって馬にのれます 」

馬上から差し出された手に戸惑っているトンマンだが、正直あまり乗馬は得意ではなかったために素直にピダムの後ろに騎乗した

「 案内せい、ポジョン 」
「 はい! 」

2つの馬影が王宮を飛び出していくのを、物見櫓の上から見ていた人物が居た。。。

「 仕方のない甥達だこと・・・ 」

扇をふりふり・・・・・・ミシルの弟であるミセンがいつもに無く厳しい目付きで走り去った甥達をみていた

「 どうして自分の母に逆らおうとするのでしょうねぇ・・・・・・  まあ、判る気もしますが・・・・・  姉上に報告するか、しないか・・・・・・  さて、どうしましょうかねぇ・・・・・・ 」

ミシルの裏を見続けてきたミセンでも、近頃の姉の行動はやりすぎと思っていた

「 誰でも彼でも呪いをかけて・・・ 手がつけられなくなってますからね・・・ 」

人智を超えた力を得た事で姉は、徐々に「魔」に変わっていってしまった

「 あれでも昔は可愛らしかったのにねぇ・・・ まあ、性格の荒さは昔と変わってませんがね! 」

昔は人であった・・・・・・ 痛みも屈辱も共に舐めてきた姉と弟、絆もあった。。。

今は、どうだろう・・・・・・ 貴族どもをヒョッコセの卵で抑えつつ王妃として国を考え、民を考えていた姉が、今は・・・・・・ 

卵の力をもってしても進んでいく老いの影に怯え、力の衰えに怯え、新しい・・・自分に代わるものを差し出せと
要求する卵に怯え・・・・・・ 手に集まっている権力と栄華がこぼれ落ちていく恐怖に怯え・・・・・・

姉は正気を失ってきている・・・・・・

「 辛酸を舐めながら上を目指し、栄華を極め・・・  この世の春だと楽しんだのだ・・・ 終わりもまたある・・・ 問題なのは終わる事ではない、どう終わらせるかなのだがな・・・ 」

ミセンの瞳に浮かぶのは、憂鬱なのか・・・・・・

何かを思いながら、ミセンは扇をふりふり物見櫓から降りていった。。。

***

長くなるのでここで切ります!
いやぁーー ファンタジーっぽく軽く楽しめるようにと書いてるんですが、ミセンさんいつもになくシリアスになってますね(笑)

ちょっと強引な舞台設定なので楽しんでいただけるかドキドキです!




     

下:☆900打リクエストSS☆

リクエスト記念、時間かかってすみません!
でも、管理人は書いてて楽しいです! で、ミシルに対抗できる人物で「あの方」が出ます(笑)
それと後半、かっつめですが楽しんでいただけたら嬉しいです

それと、1000打の拍手総数を踏まれた方は、コメントくださいませ。 昨日午前1時台に記事に拍手いただいた方がそうだと思うのですが・・・・・・

もし、このまま「私が1000打踏みました!」って教えていただけないと、リクエストは無しなのかな?って管理人思っちゃいますので・・・・・・お気軽に教えてくださいませーー

***

「 誰かいませんかぁーー 」
真っ暗な家の中に、大きなかまどの火だけが辺りを明るくしている

ぱち・・・ぱちっ・・・

呼びかけても火のはぜる音しか応えないと見たトンマンが、後ろのピダムに首を振る

「 誰もいないようですよ 」
「 なら戻るまで待たせてもらおう 」
「 私が先に入ります 」

ピダムの影のように控えていたポジョンが2人を残し家の中へと入っていく・・・・・・

「 何してる? 」
「 ああ、この家の者に会いたくて来たんだが、どうやら留守みたいなんだ 」
「 何か用なの? 」
「 俺じゃなくてピダム朗が会いたがってて・・・・・・ 」

トンマンはふと、自分に話しかけられた声に素直に応えていることに違和感を持った

王宮から随分馬を走らせていた3人は、すでに真っ暗な外に立っていた・・・・・・そして周辺には民家も無い場所で、誰が話しかけているんだろう・・・・・・・トンマンの顔が、恐る恐る後ろを窺う・・・

しゅーーーー  しゅーーー しゅーーー ・・・・・・

何か生き物の息遣いが、トンマンの耳元で、ものすごく近い距離で聞こえてきた事に肩を竦めながらも・・・・・・・トンマンが顔だけで後ろを振り向けば・・・・・・

鼻先の距離に自分の顔と同じ大きさの蛇の顔があった・・・・・・トンマンは蛇だと分かると、にたりと笑った

砂漠で育ったトンマンに蛇は小遣い稼ぎになるありがたい動物・・・・・・しかもこんなに大きい!!!

「 捕まえて売ってやる! 」

がしっ!!!と顔を両手で掴んで地面にねじ伏せようとするトンマンだが、その蛇はえらくでかく・・・・・・トンマンの体をその長い胴体でぐるぐる巻きにして絞めていくのには正直、彼女も驚いた

「 ぐえっ・・・ くるし・・・ 」
どこから出したのか分からない声に重なって、くつくつくつくつ・・・・と喉を鳴らして笑う声が重なった

「 放しておやり 」
家の外に立つ2人の(トンマンは蛇と仲良く転がっているが)、そのまた後ろから聞こえた声に蛇はトンマンを放して嬉しそうに近づいていく

「 立ち話もなんだから入れば? 」

それが、ピダムの会いたがった助け手である「スンマン」との3人の出会いだった

***

「 この頃のミシルの行動は知っている・・・・・・ムンノ公からも話がきたからな・・・ 」
「 師匠が! 」
「 ああ・・・ 」

部屋の卓で茶を飲みながらピダムの話を聞いているのは、まだ年若い貴族の若君・・・・・・トンマンは黙って2人のやり取りを聞きながらも相手を観察していた

黒い艶やかな黒髪、白い肌に美貌の顔・・・そして横には先程の大蛇がまるで猫がまどろんでいるかのように大人しく床にとぐろを巻いて主を見上げている

「 ま、退屈してたからな・・・・・・ミシルを倒すのに付き合ってやるよ! 」

事も無げにまるで「ちょっとそこらに散歩にいく」とでも言うような気軽さで話すスンマンに3人は驚いていたが、そのスンマンが立ち上がりトンマンの側により「 くんっ! 」と匂いを顔で・・・・・・顔を顰める

「 お前・・・・・・呪い臭いぞ、こっちに来い 」
腕を掴まれたトンマンが抵抗するよも、有無を言わさずに風呂場に連れてこられ着物を脱がされ湯の中に突っ込まれた

「 あぶっ・・・あぶぶぶ・・・ たすけ・・・ぶくぶくぶく 」
「 心配するな、私も入るからそのまま頭まで浸かってろ・・・・・・臭くてかなわん 」

「 おい! どうしたトンマン! 何してるんだよ! 」
「 開かない・・・鍵などついてないのに 」

しゅうぅぅ・・・・しゅうぅぅ・・・・・

トンマンの助けを呼ぶ声に反応したピダムが扉に手をやってもビクともせず、そのうち大蛇がするする・・・と扉の前に来て鎌首をもたげて威嚇し始めた

「 この中に入れないってことか・・・ 」
「 入るなってことなんでしょうね・・・ 」

2人の兄弟は大蛇と向き合ったまま待つことにした・・・・・・

***

扉の向こう側は・・・・・・白い湯気がこもる浴槽の中でトンマンが頭を抑えられ溺れそうになりながらも、抑えているスンマンは片手を顔の前で色々と動かしながら唇を僅かに動かして何かを説いていた

「 ・・・・・・・・・・・・・・・・・喝!!! 」
「 ぷはっ!!!  な・・なんだよいきなり! びっくりするな・・・ 」

「 これで呪いは無くなった・・・・・・なんだ、女だったのかお前 」

スンマンの言葉に我に返ったトンマンは、自分の裸を見れば・・・・・・確かに膨らみが胸に戻っている

ふと前を向けば浴槽の中、得体の知れない相手も裸で湯船に浸かっていた・・・・・・貴族の若様が・・・・・・そう、男!が・・・・・・

そこまで思い至ったトンマンは、思わず叫んでいた!

「 うげぇーーー!!! 」

その叫びに反応しないピダムでは無く、大蛇の頭を殴りつけ、扉を蹴り倒して中へと入ってきたのだった!
もちろん、ポジョンも後ろからついてきていた

その二人が見た光景とは・・・・・・華奢な背中と僅かに見える白い膨らみに、流れる黒髪が美しいトンマンの後姿と・・・・・・全く隠そうともせずに面白そうに笑うスンマンの白い裸身の豊かな胸・・・・・・そう、二人とも女性だったのだ

「 ほら、布で隠せ 」
トンマンに白い大きな布をやり、スンマンは平気で裸で浴槽から上がりピダムとポジョンの前を通りすぎ奥の部屋へと向かった

「 女・・・・だよな 」
「 女・・・ですね 」
「 女・・・だった 」

ピダムもポジョンもトンマンでさえ呆気に取られながら見送ったスンマンが、すぐに服を着て再び3人の前に現れたとき、すでに旅支度を整えていた

「 行くぞ! 」

まだ目の前に白い肌がチカチカしているピダムとポジョンは、振り切るように頭を振って・・・・・・若干顔が赤かったが馬に跨り王宮を目指した・・・・・・ミシルを倒すために

***

王宮に戻った4人は、ピダムの宮に入りそこで・・・・・・星を読んで戻って来ていたムンノに出迎えられた

「 スンマン、貴女に頼まれていた物が揃いました 」
「 おお、そうか! 」

2人はミシルが暴走し始めることを星のお告げで知っていたため、かねてより色々と準備していたのだった

「 まずは、新羅、高句麗、百済を旅して集めましたる高僧の念をこめた剣! その名も≪新羅大斬剣≫(シルラダイザンケン) 」
「 私は仙人達に作らせた槍! ≪チヌン豪快靭≫(チヌンゴウカイジン) 」

ムンノの持つ剣はピダムに、スンマンが持つ槍はポジョンへと手渡されていたその時、チョンミョンがスンマンからの知らせを受けてピダムの宮にやってきた

「 この新羅に代々受け継がれているこの宝も一役買ってくれるでしょう・・・・・・トンマン、これは貴女に・・・・・・≪華公主弓≫(カクンジュキュウ) 」
「 でもチョンミョン様、コレは弓だけで矢がありませんよ? 」

そのトンマンの問いに、にっこりと微笑んだチョンミョンはトンマンの両手をしっかりと握り・・・・・・話し出した

その瞳を涙で溢れさせながらも、愛しそうにトンマンを見つめるチョンミョン。。。

「 これは王の血を引くものが射れば、見えない矢が無限に出てくる王家の宝・・・・・・トンマン、我が双子の妹・・・・・・貴女ならばコレを使いこなす事ができるでしょう 」

ここで初めて自分の出生の秘密を知ったトンマン・・・・・・生まれた時に『ミシルを倒せる唯一の者』という予言から殺されそうになったトンマンを、侍女のソファに託して育ててもらったという秘密を知り姉妹は改めて抱き合いながら喜び合っていた

「 トンマン、ピダム、ポジョン! 目的はあくまでヒョッコセの卵の無力化だ! ミシルを殺す事が目的じゃない! 間違えるなよ! 」
「「「 はい! 」」」

こうして、トンマン・ピダム・ポジョン・ムンノ・スンマンはミシルに対峙すべく、ミシル宮へとやってきた

***

「 そろそろ来る頃だと思っていましたよ・・・ 」
扉を開けて5人を迎え入れたのは、意外にもミセンだった

「 暴走した姉は苦しそうでね・・・・・・あの苦しみを取ってやってください・・・ 」
ミセンの計らいで、難なくミシルと会えた5人はそこでギリギリと唇をかみ締め、噛み切り・・・・・・唇から鮮血を垂らしながら髪を振り乱して怒り捲くるミシルを見た

その憤怒の表情に侍女達さえも近寄れず怯え戦く様は、ピダムの目からしても異常にうつる

「 ババア、とうとう狂ったか? 」
「 うるさい! 我が子でありながら私に剣を向けるとは・・・・・・お前もポジョンもどういうつもりだ!!! 」

ヒョッコセの卵を抱えながら悪態をつくミシルには、新羅の女傑といわれた威厳も気概も、誇りも感じられなくなっていた・・・・・・ただただ衰える力を恐れ、僅かに残った魔力を掻き集めている老婆にしかすぎない

「 哀れな・・・・・・力に固執し、魔力に依存し、人としての姿さえ忘れてしまったか・・・・・・ 」
「 おのれ、おのれーーーー 」

スンマンのどこか優しげな声も届かずに・・・・・・卵に縋りつくミシルの体が・・・・・・大蛇のように長くなり卵を縛るようにグルグルとその蛇体で撒いていく

「 こうなったらミシルごと射ぬきます!!! 」
トンマンの叫びと共にピダムは剣を、ポジョンは槍を構え、隙を作るために2人が切りかかっていった

「 しゃぁーーーーーー 」
「 うわっ 」
「 うぐっ 」

ミシルの長い尻尾が切りかかる2人を蹴散らしたとき、わずかに卵が見えた!!!!!!

「 いまだ! 」
トンマンが弓の弦をキリキリと引けばそこに・・・・・・真っ白な聖なる矢が≪聖骨フラッシュ≫が現れた!!!

「 てぃやぁーーーーー 」

気合十分に、矢を放てば・・・・・・空気を切り裂き飛んでいった真白き矢が寸分たがわずにヒョッコセの石の卵に突き刺さった

「 ぎゃぁーーーーーーーー 」

ぴしっ・・・・ぴししっ・・・・・矢が突き刺さった所から亀裂が入り、ヒョッコセの卵は爆発し粉々になり・・・・・・消滅した。。。

その瞬間、ミシルの呪いは跡形も無く消え去り、後には、年相応に老けたミシルが気を失っている。。。

こうして新羅を支配したミシルも力が無くなり、聖骨として復権したトンマンは公主になり、平和が訪れたのだった・・・・・・

***

   ~~~数年後~~~

「 おぅ、よしよし・・・坊は可愛いねぇーー 」
「 すみません、お義母さま・・・いつも子供の世話をしてくださって・・・ 」

「 よいのです、子供より孫が可愛いと聞きましたが、ほんにその通りで・・・・・・可愛いわ・・・ 」
「 トンマン、もう便殿に行かないと! チョンミョン様も待ってるぞ! 」

「 うわっ! まずい遅刻だ! 走るぞピダム!!! 」
「 お前、夫を呼び捨てにするなよ! ・・・・・・今夜みてろよ、お仕置きしてやるからな 」

公主服に身を包みながらも駆けて行くトンマンに、今は子守り婆となったミシルが「いってらっしゃい」と声をかけた

ピダムとトンマンが夫婦になり、チョンミョンがヨンチュン公と夫婦となり、同時にヨンチュン公が福君となった

王座を継ぐのはヨンチュン公だが、トンマンとチョンミョン姉妹も政務に関わり新羅を豊かにしようと尽力している

そうして安定した新羅の王宮が、民の暮らしを思い改善策を講じていき・・・・・・少しづつではあるが豊かになっていく

ピダムは黒獅子将軍と異名を取るほどに軍においてユシンと共に名をはせ、新羅を守っている

スンマンとムンノは星を読み、神殿にはびこったソリと手下の巫女達を修行しなおしている

・・・・・・なぜか、スンマンの側にはポジョンが護衛として纏わりついていたが・・・・・・これはこれで幸せなのだろう。。。

そして、新羅の空は清々しく晴れ渡り、民の笑い声の聞こえる国になったという。。。

めでたし、めでたし。。。。。。

***

こんなんでよかったでしょうか?
リクエストいただいた椿さま!!! 違ってたら申し訳ございませんm(__)m

     

リクエストを終えて・・・座談会☆

えーーっと、お遊びですがリクエストを演じてくださった古代新羅の方々です(笑)

***

「 あーー疲れた、ミセン肩を 」
「 はい、姉上 」

ミシル宮にて先ほどまでの子守リ婆姿から一転して、華やかな衣装に身を包んだミシルは弟のミセンに肩をもませていた

「 母上、お疲れ様でした 」
そこにポジョンとスンマンが顔を出し・・・・・・トンマンもピダムを伴い現れた

部屋の戸口には忠犬と化したソクプムが、アルチョンのお株を奪い警護に立っていた

「 誰ぞ、酒席の用意を・・・・・・ 」
ミシルが手を叩くと、ミセンが・・・・・にしゃりと笑い高台の楼閣に用意したと話したので、一行はぞろぞろと移動した

~~~ここからは会話だけでのお話になりますので皆様、表情などは想像してくださいませ~~~

ミシル「 無事にりくえすととかいうものを終えましたが・・・私は不満です 」
スンマン「 おや? 璽主は何が不満なのだ? 」

ミセン「 まぁまぁ姉上! もう終わったのですからいいではないですか? 」
ミシル「 よくはありません! 魔の者という設定なのですから化粧の色も髪の飾りも、果ては池を赤い水にして浸かる気にもなってましたのに! そんな場面ありませんでした 」

スン「 それは管理人の好きな『里見八犬伝』で夏木マリさんが演じた玉梓のことか? 」

ピダム「 そんな事しなくてもババアなら、そのままで十分なんだろうぜ 」
ミシル「 なっ!!! なんですと? 」
ミセン「 (ひぃぇぇぇええええーーー)←心の声。 だくだくだくだく←汗の音 」

ピダム「 お前はそのままでも十分、妖怪変化なんだよ ぽこぽこ子供産んでるくせに40歳くらいにしか見えないなんて妖怪だよ 」

ミシル「 ぴぃぃーーーだぁーーーむぅぅぅうーーー お前は口の聞き方も知らないのか!  しゃーーー!!! 」
ピダム「 おわっ! なんだこれ! 妖怪だぁーーー へへっ 」
ピダムとミシル、楼閣の中を鬼ごっこになる

チョンミョン&トンマン
 「「 仲の良い母と子ですねーーー 」」

トン 「 あ・・・あね・・・あねう・・・・ ぜぃぜぃ・・はぁはぁ(緊張するっっっ! 心臓がもたないっっっ!) 」
チョン「 トンマン、久しぶりね・・・ 元気にしてた? 」
トン 「 はい! 公主様(あ!つい癖で公主様って言っちゃった・・・) 」
チョン「 トンマン、無理しなくていいのよ・・・・・・ 」

トン「 絶対、今度あったら言いたいって決めてたんです! あ・・・あね・・・姉上!!!(よしっ!言えた!!! ガッツポーズ!) 」
チョン「 トンマン・・・・・・(嬉しさのあまり泣く&絶句中)」
トン「 姉上・・・・・・(こちらも嬉しさ・・・以下略)」 

ラブラブなトンマンとチュンミョンは、手を取り合い、うるうると見詰め合い続ける。。。

***

ポジョン「 台詞も少ない・・・・・・見せ場もない・・・・・・影が・・・薄い・・・(酒を飲みながら一人ぶつぶつ呟きポジョン) 」

スンマン「 どした? ポジョン 」
ポ 「 トンマンやピダムは見せ場もあるのに私はただうろうろとついていただけで・・・ 」

スン「 でも場を引き締めていたぞ! そうしょげるな・・・ 」
ポ 「 しかし・・・ 」

スンマンがポジョンの耳元で囁く。。。

スン「 くふっ・・・・・・・・見せ場は無かったかもしれないが、私の宮に帰ったら・・・・・・しっぽりと濡れ場を演じようか? 私とお前で・・・・・・ 」
ポ 「 スンマン様・・・ こんな宴席どうでもいいです! すぐに帰りましょう? 貴女の宮へ・・・ 」

どたどたとミシルと追いかけっこをしていたピダムが、にへらっと笑いながらポジョンを見て、悪戯を思いついて声をかけた

ピダム「 スンマンて、オッパイ大きいんだな! 今日、初めて見たけど旨そうだなーー 」

ポ 「 ピダム! 忘れろぉーーー! その頭からスンマン様の姿を消し去れぃーーー!!! 」
ピ 「 へへへ・・・お前に追いつけるものか! 」

ミシル「 しゃーーーーー!!! 」
ピ 「 ぐえぇーーーーー 」
ポ 「 ナイスです母上! 締め上げて記憶を飛ばしましょう!!! 」

スン「 くふっ とうとう捕まったか・・・ さて、私もチョンミョン姉上と話がしたいな・・・ 」

***

チョン「 まぁ、スンマン! 久しぶりね・・・無茶なんかしてないでしょうね 」
トン 「 姉上、スンマンは武芸もさることながら胆も据わっているんです 」
スン 「 チョンミョン姉上、お懐かしい・・・・・・貴女に逢いたかった・・・ 」

チョン「 私もよ・・・ 」

3人の美しい従姉妹達は再会を喜び、抱きしめあい、酒を酌み交わして話に花を咲かせていた

そのころ、ピダムはミシルとポジョンに正座で説教を受け、ムンノのところへと逃げ込んだが再び説教を受けていた

「 俺ばっかり損じゃないか? 」

そんな事を呟いたとか、ぼやいたとか・・・・・・

そうして、宴は進み・・・・・・ミシルもムンノもピダムの説教を肴に酒を酌み交わし、遠い昔・・・一緒に修行していた頃の話に花が咲いた

ピダムはといえば、ポジョンに捕まり延々と花朗としての心得だのを聞かされていたが、スンマンのポジョンの呼び声にやっと解放された。。。

***

こんな遊びも楽しいですね



     

☆1200打記念リク☆~ガールズトーク古代編~上!

徳真さまからのリクエストで、チョンミョン・トンマン・スンマンの3人の公主達のお話です

【月に照らされ~~】で、もしスンマンが早く合流してトンマンを狙ったテナムボを取り押さえられていたら・・・・・・チョンミョンは助かってましたよね♪

そんな設定で、ミシルも取り込めたあとのお話ということで・・・・・・

***

「 トンマン、髪飾りあげる・・・ 」
まだ朝の支度には時間がある早朝に、部屋に入ってきたチョンミョンが侍女に持たせていた箱を開けさせると、そこには色とりどりの髪飾りが並んでいた
チョンミョンの細い指先が並んでいる飾りの上を滑っていき・・・・・・1つに止まると、取り出した桜色の貝と金で花を模している飾りをトンマンの髪に合わせている

「 姉上・・・ 」
「 うふふ・・・ トンマンとこういう風にお洒落してみたいの・・・ 」

その姉の言葉に躊躇っていたトンマンも、にかっと笑い頷いた

それからしばらく、髪飾りや化粧などをトンマンにして楽しんでいたチョンミョンだが・・・・・・はた!と気がついて手を胸の前で小さく打った

「 今から清遊に行きましょうよ! 確かお祖母様の別荘で、風光明媚なところがあるの! 今頃には美しい花が咲く木があるから・・・・・・たまにもゆっくりしてきましょう 」
「 しかし、今すぐなど・・・・・・用意もありますし 」
しぶるトンマンだが、チョンミョンの潤んだ瞳に見つめられては頷くしかなかった

「 くすくす・・・トンマン姉上もチョンミョン姉上には押されぎみですね 」
「 あらスンマンちょうどよい所に! 貴女も行くのよ! 」
「 はい、姉上・・・  では輿の用意やらをしてきます 」

それから侍女や女官たちを総動員して用意をさせ、王や王妃に挨拶も済ませた3人は、それぞれの護衛花朗と朗徒達をお供に出立した

下に大きな車のついた輿を大勢の奴婢が押している中、トンマンとチョンミョンはお茶を飲んだりお菓子を摘まんだりして姉妹水入らずの時を過ごす。。。

スンマンはいつものように男装して騎乗し、アルチョン・ピダム・ポジョン・ソクプムらと共に警護に回っている

「 お前も輿に乗っていたらどうだ? 」
ピダムが呆れたように話しかけるが、スンマンは「これが気軽でいいのさ・・・」とピダムと並んで馬を歩かせている

一行は徐羅伐の外れに位置する別荘へと何事も無く向った。。。

***

そこは川が流れる緑豊かな山間で、大きな木に美しい花が咲き誇っていた

屋敷についた3人は供の下男、侍女達が急ぎ部屋を清めている間に川へと下りていった

「 久しぶりだぁ~ こういう風に外にいるのは気持ちがいいなぁーー 」
開放感からか朗徒の時のように話しているトンマンに、チョンミョンもスンマンも微笑んでいた

所作にも気を使う宮廷暮らしの中、息が詰まるだろうトンマンを労うためにチョンミョンが兼ねてから計画していた事だったのだが・・・・・・トンマンの気が晴れ晴れとした顔をみて、企みが満足いくものになった

スンマンはチョンミョンから相談され、場所を決めたチョンミョンのために道中の警護を配備し、食料や何もかもを整えていた

「 お二方、川で魚捕りなどいかがですか? 」
スンマンの言葉に姉妹が顔を上げると、トンマンはキラキラと瞳を輝かせチョンミョンはそんな妹の様子に可笑しそうにクスクスと笑っていた

「 ピダム! 魚は捕れるか? 」
「 おう! 任せとけよ! 」

「 ピダム止さぬか! 」

呼ばれた途端に腕まくりをし始めたピダムはトンマンの側へと寄り、アルチョンは止めようと声をかけるがチョンミョンに制された

「 いいじゃなの、アルチョン朗。 私も川に入ってみたいわ! 」
「 私もだ! ピダムも靴を脱げ! 魚は靴を履いてては捕れぬだろう 」
「 はい、公主様 」
「 お止めくださいチョンミョン様! 」

アルチョンが止めるも誰も聞かず、チョンミョンとトンマンは靴を脱ぎ川の浅瀬にある大きな岩に並んで座り、そこから足を川の流れに浸して ぱしゃぱしゃと水と戯れ遊んでいる・・・・・・2人の白い足先にアルチョンの顔が少し赤くなっていく

「 いいではないかアルチョン朗・・・・・・あまり野暮な事ばかり言っていると煙たがれるぞ 」
「 ですがスンマン様!!!  ・・・・・・ はぁ・・・わかりました 」

諦めたアルチョンは背後に顔を向けて警護を続ける

「 なんでアルチョンの奴、後ろ向いてるんだ? 」
「 公主様方の肌を見るなど、花朗としては不敬に当たるからだろう 」
「 ふぅーーん 」

ピダムの疑問には側に控えていたポジョンがアルチョンと同じように、公主達の足を見ないようにしながら応えている

「 お前は毎晩、スンマンの裸を見てるのにな・・・ 」
「 な! 何を!!! 」
突然の言葉に焦るポジョンだが、悪戯っ子のような笑いを残してピダムはトンマンの横に逃げて行った

「 あ! 魚がいます! そこに! 」
「 きゃ! トンマン! 魚が! 」
「 はははっ! 姉上の足に魚が寄ってきたぞ! よっぽど腹を減らしているんだろう 」
「 トンマン!!! 」

きゃっきゃっと楽しそうな声が木々の間をすりぬけていく・・・・・・幸せそうな声が響く穏やかな時間が過ぎていった。。。

***

「 今日は魚が捕れて楽しかったな 」
「 トンマンったら助けてくれないんだもの・・・ 」

その日の夜、屋敷の中の一室で3人の公主は卓を囲んで食事や酒を楽しんでいた

公主達3人は丸い卓で椅子に腰掛け座り、互いに酒の盃に注ぎあっては笑いあっており・・・・・・護衛花朗達は少し離れた長卓に胡坐をかいて座り、料理に舌鼓をうっている

卓にはピダムが捕った川魚や鶏が焼かれ、美味しそうに盛られている

その1つをひょいっと手づかみで取ったスンマンが美味しそうに食べはじめ・・・酒も飲んでいる
それを見たトンマンも、焼いた川魚の串を持ち「あーーん」と大きな口を開けて食べ始め・・・・・・チョンミョンも「えいっ!」と小さく掛け声をこぼしてから魚にかぶりついていた

そんな公主らしからぬ作法で、でも・・・とても楽しそうに3人は互いを見つめあい微笑みあい、時に「きゃーー」と笑い声を出しながらも食べている

そうして和やかに食事は進み、ついでにお酒もすすんだ3人は頬を染めながらも楽しそうに話している・・・・・・そうして頬を赤くしたチョンミョンが、お酒の酔いにいい気分になり。。。。。。

「 ねぇ、トンマン! 朗徒のときって男として生活してたんでしょ? 」
「 そうですチョンミョン姉上 」
「 周り中が男で・・・・・・困る事とか無かったの? 」

チョンミョンの質問にトンマンが小首を傾げて考えるも、にっこりと笑いながらカラカラとほがらかに笑い出す

「 男同士なんて大雑把で、汚くて、小さい事なんて構いませんから・・・ある意味、宮中より楽ですよ 」
「 そうなの? 」
「 ええ、姉上の知っている貴族の男と違って朗徒ですからね・・・・・ああ、そういえばいつも私に絡んで虐める輩がいましたけど・・・・・・不自由というか困ったのはその花朗の事くらいですね 」

「 まあ、虐められていたの??? 」
「 ええ・・・・・・お前は連れている遊花より綺麗だから女じゃないか? ズボンを脱いでみろって言われました 」

トンマンの目が鋭く細められ、隣の卓で胡坐で座っているソクプムを横目で見ている

ソクプムも一口酒を飲んでいたが危うく噴出しそうになり、結果・・・・・・ひどく咳き込んでいた

≪ にやり。。。 ≫トンマンがその様子に黒く微笑むのと、ピダムが頬張っている鶏の足を置きトンマンとソクプムを交互に見て眉を顰めていた

「 そういえば・・・・・・ 」
チョンミョンが、とろん・・・とした瞳でトンマンを見て何か言おうとしている
その様が、あまりに艶めかしくも色っぽくて・・・・・・トンマンは思わず≪ ごくり・・・ ≫と喉を鳴らして見ている

朗徒の頃、ジウン尼が年上のくせに頼りなくて、そのくせ姉貴ぶるのをトンマンは、「男」と偽っていただけの自分なのに、ふとした折に尼が可愛らしく思え・・・・・・胸の中がなにやら甘酸っぱくなった・・・・・・『 あの感じ 』を久方ぶりに思い出していた。。。

どきどきと高鳴っていく鼓動と、熱くなる自分の頬を感じながらもトンマンは姉が何を言い出すかと、その形の良い唇が開くのを待っている

「 あ・・・あねうえ。。。  何でしょうか? 」
少々どもりながらも聞いてみたトンマンに、チョンミョンの顔が凛々しく艶やかに微笑んだ・・・・・・その笑みは必ず何かを企んでいるチョンミョンのお決まりの顔だった

「 トンマン! ユシン朗が貴女をどうして女だって知ってたと思う? 」

うふふふふ・・・・・・・・・・悪戯っ子のように楽しそうに瞳をキラキラさせながら尋ねるチョンミョンにトンマンは、ぽかん・・・と口を開けて聞いていた

「 いつ・・・とは、姉上どういう意味ですか? 」
「 うふふっ・・・・・・言葉の通りよ! だって貴女は朗徒として龍華香徒にいたのよ? 私もユシンに聞くまで貴女が女だったって知らなかったわよ? 」

「 そう言われてみれば・・・・・・いつユシン殿は知ったのだろう? 」
首を捻り、あのころの事を思い出すトンマンだが・・・・・・一向にユシンが自分を女と「どうやって」見破っていたのか、「いつから」知っていたのか・・・・・・・分からないトンマンだった

首を捻り、「 う~~ん、う~~ん 」と唸りはじめたトンマンに、チョンミョンの瞳は楽しそうに煌き・・・・・・少し離れたところに座っているピダムをチラリと見ていた

「 いつなのですか? チョンミョン・・・・・・焦らさずに教えてください 」
それまで黙っていたスンマンが、チョンミョンの白く長い指を手に取り口付けながら聞いていた

「 くす・・・スンマンも知りたいの? 」
「 ええ、姉上が楽しそうにされている答えを私にも分けて欲しい・・・ 」

「 答えはね・・・・・・ごにょごにょごにょ・・・・・・ 」
「 ほぉーーー あのユシン殿がねぇ・・・ 」
「 姉上!!! 私に教えてくださいよ!!! 」

「 分かったわトンマン・・・ ユシンはね、お風呂で貴女が女だって知ったそうよ! 」
「 ・・・・・・覗いたのですか? あの堅物のユシン殿が? 」

呆然と呟くトンマンの肩に いつの間にか背後に回ったチョンミョンが抱きしめた

「 偶然、何かお小言を言いたくて湯殿まで来た時に見てしまったそうよ・・・ 」
「 見てしまった・・・・・って・・・・・・  私はツチノコか!!! 」
「 トンマン、ツチノコって・・・・・・ぷぷぷっ ケタケタケタケタ 」
チョンミョンが常にはない噴き出してウケている様子に、隣の卓では花朗達が≪ ぎょっ!!! ≫としていた

***

「 チョンミョン様が変だ・・・ 御酒はたまに嗜まれるがあのように笑うなどされた事はない! 」
異変に気がついたのはチョンミョンの護衛花朗アルチョンだった

「 それほど飲まれてはいないのですがね 」

ポジョンは侍女達に酒を用意させたり、侍女達から指示を仰がれたりしているので公主達がどれほど飲んでいるのかなどは把握していたからこそ、首を捻っていた。。。

「 ふぅーーん、よっぽど美味い酒なんだよ(ミセン叔父からの酒はもう出てるのかな?) 」

それでも楽しげに話している公主達に、花朗は何も思わずに自分達も旧友を温めて酒を酌み交わしていた

***

「 ツチノコですか? それは珍しい・・・私も是非見たいですね 」
「 スンマン! 」 
「 くすくす・・・冗談ですよ。 ツチノコよりも・・・私は人肌の方が好きですから 」

ぐびっ! スンマンはいつものように盃を空けるが、飲んでいる酒が気に入ったのか手酌で注いでいる

「 うまいな・・・この酒はどこのだ? 花の香りが後味をひく 」
「 うん、私も初めて飲む酒だが、好きだな 」
「 私もよ・・・・・・おいしぅぃーーねぇーー 」(ぜひ藤森風で♪)

「「 姉上はそれ以上飲まないように 」」

だんだん壊れていくチョンミョンに、トンマンもスンマンも飲まさないようにと盃を取り上げる

「 あら、意地悪ね! 今宵くらい思う存分飲みましょうよーーーー 」
「 姉上、しばらく休みましょう 」
「 そうです、チョンミョン 冷たい花菜(ファチェ・・・ハチミツや砂糖で甘くした五味子オミジャの汁に果物などを浮かべた飲み物)を持ってこさせます 」

「 ファチェ! 飲みたい! 」 

スンマンがポジョンを見れば、彼はすぐさま侍女に酔い覚ましにと用意していたファチェを持ってこさせる

その視線だけの2人の会話にチョンミョンが見つめ続けて・・・・・・にへっ! と楽しそうに笑う

「 ねえスンマン、あなたポジョンとはもう閨を共にしたの? 」
「 ぶぅぅぅーーーー 」

「 トンマン、お酒を吹かないで! 」
「 で・でで・ですが! ああああねうえ・・・ げほっ・・ごほっ 」

「 で? ねんねのトンマンには刺激が強いだろうけど・・・・・気になるじゃないのぉーーー 貴女たち只の関係じゃない匂いがぷんぷんするもの 」
「 そうなのか!!!  スンマンはポジョンと・・・その・・・同衾したのか 」

双子姉妹に喰いつかれては抵抗も無駄というものかな・・・・・・ふふふ・・・

スンマンは艶やかに微笑みながらも、ファチェを持ってきたまま後ろに控え目に立っていたポジョンを振り返り・・・・・・艶色が濃くなった瞳で見上げれば、彼はスンマンの切れ長の眼に吸い込まれるように、ふらふらと近づき椅子の横に跪く

そのポジョンの顎を、頬をと、白い手で≪するり≫と撫であげるスンマン。。。

「 私の可愛い男です・・・・・・肌を重ねた只一人の男ですよ 」
「 スンマン様!!! 」
彼女の言葉に慌てるポジョンに、これまた悪戯っ子のようにキラキラと煌く瞳を向けたスンマンは、そのまま姉達を見れば・・・・・・・・・

一人は、スンマンと同じようにキラキラと瞳を煌かせ、頬を上気させ微笑みながらも次は何を聞こうかと考えている
一人は、呆気に取られているのか口がポカンと開いたまま・・・・・・閉じる事を忘れたように開いている

そうしてスンマンは、くすくすと・・・さも楽しげに笑い続けるのだった。。。

***

その頃、王宮のミシルの宮では。。。

「 姉上~~~  姉上~~ 」
「 なんです騒々しい 」

自分を呼びながら部屋に入ってきたミセンに姉のミシルがチラリと見やる

「 姉上! 貯蔵庫に置いてあった中原から取り寄せた酒瓶を知りませんか? 杏色の綺麗な瓶に入っているヤツですよ 」
「 私は貯蔵庫には入りません。 貴方に管理を任せているでしょう? 」

「 そうなのですが・・・・・・おかしいな・・・・ 」
「 ・・・・・・ないのですか? 」

こくりと頷く弟に、同じく部屋にいたソルォンが穏やかに微笑む

「 それはもしかしてスンマン公主と飲もうと璽主が言われていた酒の事ですか? 」
「 ソルォン殿、何か知っておられるのか? 」

ミシルは弟を見つめて少し眉を上げていた・・・・・・たかが酒の瓶1つに大仰に騒ぐミセンに何か違和感を持ったのだ

「 ミセン・・・その酒に何か細工をしましたね? だからこそ無くなって慌てているのでは・・・ 」

じーーーっとこの世の中で1番恐れる姉に見つめられれば、ミセンは言い逃れが出来なくて・・・・・・・白状した

「 何ですと! あの酒には自分の秘密さえも聞かれれば隠しておけないという薬・・・自白状が入っているのですか? 」
「 ええ、それと・・・ 」

「 まだ何か入れたのか??? 」
「 ミセン殿、正直に璽主に申し上げなさい 」
ソルォンにも穏やかに、尚且つきつく睨まれて・・・・・・ミセンはしぶしぶ話し出した

「 ・・・・・・・スンマン様と飲まれるように用意したので、我が家門の媚薬も少々・・・・・・ 」

「 お前はぁ~~~~~ まだスンマン様を狙うておるのか!!! 」
「 ひぇーーーーー 姉上、お許しをーーー 」
「 しゃーーーーー 」

「 ミシル様、今はその酒がどこに行ったのかを探さなければ・・・ 」
「 はっ! そうですね・・・管理している侍女を呼びなさい 」

呼ばれて平伏している侍女に問いただせば、朝のうちにピダム朗が貯蔵庫でミセンと話していたとの事を聞いたミセンが≪はっ!≫としている

「 ピダム・・・公主様方の清遊に何か良い酒をくれと申しまして・・・ まさか、まさか、まさかぁぁぁーーー 」
飛び出して貯蔵庫に確認に行って戻ってきたミセンが、いつもの高笑いをしながら扇を振っている

「 はぁーーっはっはっはっあああーーー 」
「 ミセン・・・もしやその酒が公主様方の清遊に持っていかれた・・・・・・などとは言うなよ 」

ミシルの睨みに息が止まりそうなミセンが、こくこくと頷けば・・・・・・ミシルはきりきりと痛みだす米神に指をやった

「 ソルォン殿、このこと急ぎポジョンに知らせてください・・・  あの子なら自体を収拾できるでしょう 」
「 はっ! 今すぐに馬を走らせます 」

ソルォンが迅速に対応してくれるのに安堵の吐息を漏らしたミシルだが、暫らく何事かを考えていた。。。

まだ夕陽の残像が残る時刻・・・・・・夜は今からが長い・・・・・・はてさて今宵はどうなるのか・・・・・・

******

徳真さま、2部構成になりましたがよろしいでしょうか?

公主達のガールズトークは、今からが本番という事で(笑)

皆さんに楽しんでいただければ嬉しいです






     

☆1200打記念リク☆~ガールズトーク古代編~下!

徳真さま、リクエストに添った形になってますでしょうか?
とはいえ、トン&ピでのエピソードを入れたくてトークの方が少なめになったような気がしています

。。。気に入っていただければ嬉しいのですが

そして今回、ある果物を登場させましたが、古代新羅にあったのかなどは調べてません! フィクションでお願いします m(__)m

***

夕日が今だ空を茜色に染めている中で王宮から一騎、走り出したものがいた
ソルォン公からの言伝と薬の入った清水の瓶を胸に、新羅の誇る美貌の公主様方に一刻も早く届けなければならんとし・・・・・・馬を走らせている者がいる

一陣の風を巻き起こしながら走り行く影は、一体誰なのだろうか。。。
***

「 ねぇ、スンマンはポジョンといい仲だし・・・・・・トンマンは? どうなの? 」
「 え? わたし・・・? 」

チョンミョンが意味ありげに視線を隣の卓で鶏肉を頬張るピダムにやれば、その意味に気がついたトンマンが再び。。。。。。

「 ぶぅぅぅーーーー!!!  げほっ・・・こほっ・・・ 」
「 もう! トンマンたら直ぐにお酒を吹いちゃって・・・・・・まあ、それだけ動揺してるのよねぇーー 」
「 あああ・・・あああねうえ? 」

どぎまぎして視線が泳ぐトンマンにチョンミョンが、≪にんまり≫と微笑みかける

「 くすっ 分かりやすいわーートンマンたら! 意識は十分にしてるって事よね 」
「 いえ、私とピダム朗は何も・・・・・・ 」

ふと、言いよどむトンマンの脳裏には・・・・・・野の花の束を差し出すピダムや、村人を斬ったあと震える手を握ってくれたピダムが思い出される

本人は気がついていないだろうが、僅かに緩んだ口元を妹思いのチョンミョンが見逃すはずも無く、再び、にんまりと微笑む。。。

「 ふぅーーん、何かあったのね・・・・・・・姉に白状なさい! トンマン! 」
「 いえいえいえいえ! 別に何も・・・・・ 」
「 ふふ・・・ 白状した方がよろしいですよトンマン姉上・・・口が滑りやすいように酒をどうぞ 」

スンマンに注がれる酒を見つめていたトンマンは、満たされたそれを一気に飲み干した

「 きゃー・・・トンマンてば男前な飲み方!!! 」
「 ささ・・・もう一献どうぞ 」

「 ふぃーーー・・・ 本当に美味い酒だ ・・・・・・別に何も無いですよ・・・花を貰ったくらいで 」
「 まぁ、お花を? 洒落た事するのねピダム朗も 」

「 あとは・・・村人を斬ったあと、手の震えが止まらない時・・・・・・手を握ってくれたり・・・・・・それくらいです 」
「 きゃっ! 良いじゃないの! 励ましてくれたのね! 」

「 でも、それだけですし・・・・・・ 」
「 いやぁーーだ、トンマンてば!  聡い貴女が分からないの? 男がそんな風に動く意味を 」
「 トンマン姉上は、男女の機微には疎い方ですからね 」

「 姉上はともかくスンマンまで私を愚弄するのか! 」

カッと恥ずかしさもあり、口調がきつくなるトンマンだがスンマンはどこ吹く風と平然として・・・・・・いや、艶かしい色の瞳を潤ませて面白そうにトンマンを見ている

その目は笑いを含み、きらきらと煌いていて・・・・・・トンマンは忘れているようだが、騎馬部の双頭として組んでいるピダムとスンマンは細かな事も話し合う男女を越えた親友同士だということを。。。

おまけに同じように男女の機微には疎いピダムに、スンマンはたまに相談されているという事もトンマンは知らなかった

「 ふふ・・・ 姉上、ピダムがしたのは・・・・・・それだけでしたか? 」
「 スンマン・・・////// (ときめきますと云われたな・・・) 」

「 なぁーに? なによ? ああん、もう~~じれったいわん♪ 」

きゃいきゃいとはしゃぎだすチョンミョンの声は、どんどん大きくなり横に座る花朗達にも・・・・・・当然聞こえていた

***

「 盛り上がってるな公主様方は 」
「 ああ・・・たまにもいいんじゃないか? この頃は政務も立て込んでいてお二人とも気が休まるときがなかったからな 」

アルチョンが公主達を見やりながら、少し口元を綻ばせるとソクプムも隣の卓を見て同意している

「 女同士なんだから話が弾んで楽しそうだよな~~ 」

ピダムも混じるように言うと、その言葉にアルチョンが目くじらを立てた

「 公主様の事を女同士などと言うな!!! そこらの女じゃないのだぞ! 聖骨の公主なのだぞ!!! 」
「 うわっ! 」
「 そもそもピダム! お前は公主様方に余りにも馴れ馴れしすぎるのだ!!! 花朗たるもの節度をもって、礼節をもって忠誠をだな・・・・・・ 」
「 長い! アルチョンの説教が始まりやがったぁーー 」

「 こら! 逃げるなピダム! こぉろぅああああ!!! いい機会だ、この際お前にはみっちりと花朗道を説いてやる 」
「 うわわわっ かんべん・かんべん!!! 」

ピダムが逃げようとして・・・・・・首根っこをアルチョンに掴まれ逃げられず、ソクプムとポジョンがアルチョンを宥めにかかっている

***

「 花に、手を握る・・・・・・それだけですか? 」
スンマンの切れ長の瞳に見つめられたトンマンは堪えきれずに・・・・・・真っ赤になった

その様子にチョンミョンの瞳が輝きだし、顔は微笑みだす

「 ・・・・・・あ・・あの・・・ 」
「 何よトンマン! 何があったのよ・・・・・・照れてないで話しなさいよ! 」

「 ・・・・・・ピダムに『公主様といると、ときめきます』って言われた事があって・・・・・・・ 」

「 きゃぁぁぁーーー すてき!!! それって告白じゃないのよぉ! 」

「 姉上! 声がでかい!!! 」
「 きゃーーー 告白よ、告白!!! まごうかたなき告白よ! 素敵だわーー 」

「 だから姉上、声がでかいってば!!! 」
「 でもこんな楽しいこと黙ってなんていられないわよ 」

「 くすくす・・・まるでチョンミョンが告白されたみたいですね 」
「 スンマン、私ね嬉しいの! たとえ理由があろうとも長い間、男として生きていた妹が男性に告白されたのよ・・・・・・なんだか、私・・・・・・嬉しくて・・・・・・ 」

じわじわ・・・と瞳を潤ませながらも嬉しそうに、本当に心からの嬉しそうなチョンミョンの様子にトンマンもスンマンも感慨深く胸を詰まらせていた。。。

「 嬉しくて・・・・・・あ~~~ん、うぇ~~ん、びぇ~~ん! 」

子供のように泣き出したチョンミョンの手元には、いつの間にか酒の入った盃があり・・・ぐびっと泣きながらも呑んでいる

「「 今度は泣き上戸・・・・・・はぁ・・・ 」」

トンマンとスンマンの同じ呟きが同時に聞こえ、言った2人が顔を見合わせ「ぷふっ」と笑い出し、その様子を横目で見ながらチョンミョンは嬉しそうに・・・・・・大泣きしていた

***

「 ぐずっ・・・すん・・・ 」
「 落ち着きましたか? 」
スンマンが良い香りの緑茶を煎れ、チョンミョンの前に差し出しながら問いかければ、チョンミョンも鼻をすすりながら頷く

「 あまり召し上がらないで酒がすすむと悪酔いしますから、何か召し上がらないと・・・ 」
「 そうね、スンマン。 じゃ、その鶏肉でも食べようかな 」
「 はい、どうぞ 」

隣に移動したスンマンが鶏肉を皿に取り、食べやすいように裂いて何か果物の汁をかけてからチョンミョンに渡すのを、トンマンは首を傾げながら見ている

「 スンマン、これは? 」
チョンミョンが鶏肉の皿を手に持ち、匂いを嗅ぐと瑞々しく爽やかな匂いがする

「 スンマン、その緑色したものは果物なのか? 何故それを鶏肉の上に絞るのだ? 」
「 トンマン貴女も嗅いでみて・・・・・ほら、爽やかな匂いがするでしょう? 」
「 本当だ・・・ 」

双子の姉妹が一つの皿を手に持ち、両側から鼻を寄せ匂いを嗅いでは「良い匂い」と話している様子は、仲の良さを感じられてスンマンも隣の卓の花朗達も微笑ましく眺めている

「 ふふ・・・嗅いでばかりいないで御二人とも召し上がれ? 」

スンマンの言葉に姉妹の箸が鶏肉を挟み、口へと運んだ・・・・・・しばし、もぐもぐと咀嚼したあと、姉妹は顔を見合わせて、同時に揃って叫んでいた

「「 おいしぃーーーい!!! 」」

「 私、鶏肉の油っぽいところが少し苦手なんだけど、さっぱりしてて美味しいわ! 」
「 もともと鶏は好きなんだが、これはいいな・・・・・・何か酸味があっていくらでも食べられそうだ 」

二人の箸が話しながらも皿の鶏肉を摘まんで口に運ぶため、あっという間に皿の中身は空っぽに・・・・・・

「「 おかわり!!! 」」

「 ふふふ・・・ 気に入ってもらえて何よりです 」

スンマンが鶏肉を裂き、汁をかけて姉妹に渡した後、その果物を自分の酒の入った盃にも落として楽しんでいる

「 これはなぁ~に? 」「 これはなんだ? 」
姉達の質問に侍女に盛ってこさせたソレを、二人の前に置くスンマン

「 酢橘というものです。 以前、倭の国の者から苗を貰い育てたのを私の宮へと持って来たのです・・・それが実をつけてくれたのです 」

「「 へぇーーー 」」

不思議そうに見ている二人に、後で届けますと優しく言うスンマンは「酔い覚ましに少し出てきますね」と言い置き部屋を出て行った

「 ねぇ、トンマン! それでピダム朗とはどこまで進んだの? 」
鶏肉を食べ、魚にも酢橘をかけたりして食べているチョンミョンが、トンマンにも同じように食べるようすすめながら、悪戯っぽく聞いてくる

「 いいいいえ! わわ・・わわたしとピダムは、なななにも・・・・ 」
「 くすっ・・・ 私は貴女と出会った頃にはチュンチュを産んでたのよ! いわば先輩よね~~・・・私には何でも話してよ! 」

赤くなり俯いたトンマンに、チョンミョンは楽しそうにからかっている

「 私も・・・ 恋がしたくなっちゃったわ! 」
「 姉上こそ、一人身が長いのですから誰かと恋などされてはいかがですか 」
「 まぁ・・・それもいいわよね 」

小さく呟いてから、ふっ・・・と真面目な顔になったチョンミョンは、今はいないスンマンが出て行った扉を見つめて尚もつぶやく。。。

「 あの娘のお陰でミシルが私達、王家に忠誠を誓ったのだから・・・・・・・恋も考えられるようになったわね・・・ 」
「 ・・・・・・命をかけてミシルを滅しようとしてくれ、結果ミシルが本心から王家に忠誠を誓うようにした 」

しみじみと話し合う双子の姉妹は、しんみりとしつつも酒を注ぎあい、飲みあい、話しあっていた 

自分達よりも幾つも年下だが、誰よりも頼れる従姉妹のことを思い、再び乾杯をする姉妹の夜は更けていく。。。

***

「 ふぅ・・・ 少々酒が過ぎたか・・・な? 」

トンマンとチョンミョンを残して席を立ったスンマンが、風に当たりに部屋を出た

「 如何されましたか? 」
「 ポジョンか・・・ ふふ・・・少々酔った 風に当たってくる・・・・・・お前は姉上達の側に・・・ファチェの後は何か果物と緑茶をお出ししておいてくれ 」

「 ・・・他の者に頼んではいけませんか? 」
「 ふふ・・・どうした? そんなに私の側に居たいのか? 」
「 はい 」

簡潔に答え、じっと心配そうに見つめる恋人にスンマンは、にっこりと微笑んだ・・・・・・その笑みはとても幸せそうで、満ち足りている笑顔だった

「 ならば侍女に言うて来い・・・・・・今宵は私も・・・そなたの側にいたい 」
頬が桃色に染まったスンマンが照れたように笑い、部屋の外の廊下の手摺と柱に身体をもたれながらも潤んだ熱い瞳でポジョンを射抜く

「 ・・・すぐに! 」
「 ふふふ・・・ ふぅーーー 何だか身体が火照る・・・・・・川の水に浸かりたいくらいだ 」

ポジョンが侍女に指示を出して戻ってみると、スンマンが・・・・・・・・いない!

辺りを見ると屋敷の松明の明かりに浮かぶ愛しき後姿が、ふらふらと歩いていて・・・・・・振り返ると手を招いてポジョンを見て笑っている

「 酔い覚ましに行かれるか・・・ 」

そうしてポジョンと二人、彼に松明を持たせながら川へと向うスンマンの姿があった

***

「 さてと、スンマンへの感謝の気持ちも大事だけど妹の恋路も大事よね♪ 」
「 ぶぅぅーーーー 」
不意に話を戻されたトンマンは、再び呑んでいた酒を噴き出していた

「 もうトンマンったら照れちゃってぇ~~~・・・  照れてる君が、かばうぃーーーーねぇぇーーー♪♪♪ 」(藤森風、ふたたび!)
「 あ・・あね・・・あねうえ??? 」

「 照れてるって事は、意識してたりしてぇーーー 」
「 いや・・・わたしは・・・姉上、飲みすぎです! もうお止めください 」

「 ほほほ・・・ 私に任せなさい・・・ピダム朗! ピダム朗はいないの? 」
「 あああ・・・姉上? 」

「 素直になればいいのよ、トンマン! なんなら侍女に褥の用意をさせるわ! 今宵はトンマンの初めての同衾ね! 」

チョンミョンのこの言葉にトンマンは、真っ赤になっただけでは足りずに『ぼん!!!』と音が鳴ったように目を見開き・・・・・・倒れていった

「 あれ? あらあら・・・トンマン!  しっかりしてトンマン! 」
「 公主様! どうしたんです、公主様 」

床に倒れる前に、呼ばれていたピダムが慌てて抱きとめて床に頭を打つ事は避けられたが、トンマンは・・・・・・・・

≪ きゅぅぅぅーーーーーー   ぴよぴよぴよぴよ・・・・・・ ≫  

目を×印にして固く閉じて気絶してしまっていた

「 寝室に運んでちょうだいピダム朗! ああ、横抱きに抱き上げてね! 優しくよ! トンマンが平気になるまで貴方はついて看病してね 」
「 はい、チョンミョン様 」

言われたとおりトンマンを抱き上げ寝室へと運んでいくピダム・・・・・・その後ろ姿を見て、チョンミョンの顔が≪ にやり ≫と笑っていた

その企みが上手くいったと笑うチョンミョンに、アルチョンが近づき・・・・・・囁いた

「 上手くいったみたいですね 」
「 くすっ・・・ 誰も近づけないでね 」
「 御意 」

***

「 う・・・ん・・・・んむぅ・・・・・ 」
寝台に寝かせているトンマンが、うなされる様子に気がついたピダムが心配そうに見ている

「 み・・・みず・・・みずがほし・・・・ 」
「 公主様、水です 」

ピダムがさっと差し出した水の入った盃、だが受け取るはずのトンマンは寝台で横たわったままで・・・・・・

「 なんだ、寝言か・・・ 」
気が抜けたように呟くピダムだが、尚も寝ながら水を欲しがるトンマンに何とか飲ませようと四苦八苦していた

寝ているのだから自発的に口を開けてもくれず、抉じ開けて水を流し込んでも零れるだけで・・・・・・ピダムはほとほと困っていた

「 あとは口移ししか考えつかないや 」
「 う・・・ん・・・みずぅ・・・ 」

じっとトンマンを見つめていたピダムが、水を口に含んで屈んで彼女に覆いかぶさり唇が重なった。。。

何度も、何度も、水を口で運ぶピダムの顔は真っ赤になっている

そうして最後の一口をトンマンの唇に注ぎ込んだピダムが起き上がろうとしたとき、白い繊手が首に絡みついてきて・・・・・・

「 んん・・・んふぅ・・・ んちゅぅ・・・ 」
「 はぁ・・・ん・・・ ぬちょり・・・ 」

ピダムにとっては憧れの、恋しくも愛しくて気が狂うほどの恋慕の相手・・・・・・そんなトンマン公主の柔らかな唇や、甘い唾液をすすり、蕩けそうな舌を絡めあい・・・・・・全てが何もかも感じたことのない世界へと彼を運んでくれる

「 んん・・・ 」

長くなると呼吸が苦しくなり、息継ぎの間に漏れるトンマンの甘い吐息・・・  その甘い声ともいえない吐息にさえ、眩暈がするほどに陶酔してしまうピダム。。。

甘美なる時間は、過ぎていき・・・・・・ふと見れば、すやすやと寝息をたてるトンマンに気がついたピダムは、それでも幸せそうに微笑んでいた

初めて触れた彼女の柔らかな唇の感触に、一人、幸福でいっぱいになりながら己の唇を触っているピダムは、次の日にトンマンが目覚めるまで側についていた

しかし、トンマンが何も覚えていないと分かり、落胆するような安堵するような複雑な気持ちにもなった

***

「 さ、お開きよ! 」
チョンミョンの言葉に侍女達が片付けを始めた部屋を後にした花朗達は、それぞれの公主の部屋の前で警護を始めたとき誰かがこの別荘に着き、チョンミョンの部屋へと通された

「 ユシン朗! あなたが何故? 」
「 実はソルォン公からの伝言をポジョン朗に伝えたくて駆けつけたのですが・・・・・・ポジョン朗は? 」

「 たぶんスンマンが酔い覚ましに外へ出たから警護についていったんじゃないの? 」
「 ・・・そうですか 」

「 なに? 差支えが無ければ話してください 」

チョンミョンにそう言われてはユシンは、包み隠さずに伝言を話した後、懐に入れていた壷を出すと重々しくも言う
「 これが中和させる水です・・・ 飲んでください 」

「 まあ、私は普通よりも『ちょっぴり』酔ってはしゃいじゃったくらいで平気だし・・・ 」
「 ちょっぴり・・・・・・ 」

後ろに控えていたアルチョンの呟きに振り返り微笑むチョンミョンだが、その微笑にアルチョンの顔が若干青ざめ・・・・・・姿勢を正していた

「 トンマンは飲みすぎて寝ちゃったし、スンマンは・・・・・・ポジョンがいるから処理できるでしょ 」
「 ならば・・・問題ないですね 」

くすくすくす・・・・・・とチョンミョンが笑い、卓にユシンに座るよう促し酒を勧めた

「 疲れたでしょう? さぁ、一献いかが? 」

聖骨の公主が進める酒を、誰が断れるだろう・・・・・・ユシンは両手で押し頂いた盃を飲み干した

くすくすくす・・・・・・チョンミョンが楽しげに笑いながら酒を盃に注いでいくが、その酒は・・・・・・


夜は、長いわ・・・・・・あなたの本音も聞きたいかもね・・・・・・くすくすくす


******

終わりました! というか、チョンミョンは平気なのか? 
これからユシンBr.で続きそうですが、お話はここでおしまいです(一応ね♪)

エピローグとして松明持って出かけたスン&ポジがどうなったかは、希望があれば書きますね

まあ、パスかけないと無理なSSになるでしょうが(笑)

では、徳真さま&皆様に気に入っていただけますように・・・・・・



プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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